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21世紀の女性はどんな輝きを放っているだろう? 環境に応じて、その時々の役割において、責任ある行動と愛情表現を巧みに使い分ける女性たち。男性はどのようなまなざしで女性を観察しているのか? 女性を美しく輝かせる男性たちの今後の役割とは? パリで生活する3人の勇士たちへのインタビューを通して探っていく。

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現代女性を表現するキーワードは、活発で柔軟性に富んでいることにつきると思う。世の中で、ますます成功している彼女たちは、結婚していても、キャリアをどんどん磨いているし、経済的にも独立している。キャリアと私生活に見事なバランスを保っている。それに、人生の目的をしっかりと据えている。僕の周辺には、輝いている女性たちが多いから、いつも魅了されているよ。ただ、仕事で頑張る女性たちは、絶えず自分の立場を証明しないといけない。ましてや、社会で昇進・昇格していくのは、男性よりも困難な時代は変わらないよね。

98以前、僕が率いていたチームの中で、とりわけ柔軟に対応できるスタッフは女性だった。的確な指示をこなす理解力は、平均すると男性よりも上回ると思う。男は、エゴイストだと思うよ。大袈裟な言い方をすれば、男は現在の仕事と、どのようにキャリアを将来に発展させていかれるかに集中していればいいようなもの。しかし、社会で活躍したい女性たちには、忍耐力がさらに求められる。キャリアと家族を守る立場には、計画性が高まるから、男のような行き当たりばったりの過ちも少ない。

女性は、強くてもろい。特に頑張る女性ほど、精神的に支えることのできる男性が必要なんだよね。でも、頑張る女性への世の中の風当たりは強い。法的には認められていないけれど、出産を機に退職せざるを得ない状況が残念ながら多い。子供を授かることは、最高に幸せなことなのに。女性は子供を育てることで、美しさが磨かれる。生命を授かった妊婦は、輝いているでしょ。

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僕も男として、この世に生きている訳だから、自分の立場を棚にあげることはできない。この世では、男性は女性の支えがあるから、存在することができるわけで、成功している大半の男性は、女性の力があるからでしょ。言い換えれば、成功している男性は、パートナーとなる女性に左右される。僕は、離婚歴があるけれど、先妻のお陰で今があると感謝している。彼女は、キャリアと子育てを両立しているよ。

また、情熱を持つことで、男女が歩み寄れるのではないかな。男女間の情熱という意味ではなくて、お互いが関心を抱くことへの情熱。料理や花に携わっていても、それに捧げる愛情と寛大な気持ち。これは、生まれ持った才能かもしれない。一日にして、手にすることができない寛大さ。

女性が美しくなるための男性の作業としては、支えて、価値を見出すこと。僕は、ステレオタイプ化した女性には興味がないから、女性の美しさには年齢は関係ないと確信しているよ。よく、お店にきてくださる方で、80代の女性がいる。立ち居振る舞い、装いが嬉々としている。以前、バイクに乗せてあげて、パリ・バイ・ナイト(Paris by Night)をしたら、子供のようにはしゃいでね。とてもチャーミングなんだよね。メディア化される女性像には疑問を感じる。僕自身は、健康でいたいから、男性がエステやマッサージに行くことはプラスだと思う。気を遣うことは他人への敬意でもあるでしょ。もちろん、女性に対してのケアであるけれど。

日本には、洗練された優雅さがあり、これが何ともいえなく好き。日本人女性の持つ魅力は、物静かで少し恥ずかしげな視線。決して、直視しない(してはならない!?)まなざしとそれに伴う、振舞い方だよね。

(取材・文・写真 浦田薫)

INFO:
Carl Marletti
51,rue Censier 75005 Paris
Tel: +33 (01) 43 31 68 12
火―土:午前10時~午後8時迄
  日:午前10時~午後1時30分迄 
定休日:月曜日

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