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アカデミー賞女優のニコール・キッドマン出演の映画『イノセント・ガーデン』が5月31日(金)よりTOHO シネマズ シャンテ、シネマカリテほか全国にて公開される。 「プリズン・ブレイク」の“脱獄王子”ことウェントワース・ミラーが、自身の名を隠して執筆し8年の歳月をかけて完成した極上の脚本した本作。監督は、『オールド・ボーイ』、『渇き』で世界から高い評価を受けた奇才パク・チャヌク監督。キャストは、二コール・キッドマンの他、『アリス・イン・ワンダーランド』を始め『ジェーン・エア』、加瀬亮と共演した『永遠の僕たち』など話題作に引っ張りだこのミア・ワシコウスカや、『シングルマン』のマシュー・グードなど豪華な顔触れが揃う話題作だ。

2013-05-28_213920本作で、エヴィ役を演じた二コール・キッドマンのインタビューが到着した。キッドマンは、巨匠の故スタンリー・キューブリックの最後の作品となった『アイズ・ワイド・シャット』(99)の主演女優を演じており、本作のパク・チャヌク監督の二人と協力するチャンスを手にした。

「パク監督との協力はとても楽しんだわ。スタンリーと組んだ時ととてもよく似た経験をしたわ」二コールが語る。「作品のディテールにまで配慮する点で、スタンリーのことを何度も思い出したの。それに、自然主義を少し強調するところがあるけれど、この点もスタンリーが興味を持っていたことよ。」

『イノセント・ガーデン』は、父親を交通事故で亡くしたインディア・ストーカー(ミア・ワシコウスカ)のストーリーだ。その後すぐ、存在さえ知らなかった叔父のチャーリー(マシュー・グード)がインディアと彼女の情緒不安定な母(二コール・キッドマン)と一緒に暮らすようになる。このミステリアスでチャーミングな男がやってきた当初は、なにか秘密の思惑があるのではないかと疑っていたインディアだったが、怒りや恐怖を感じる代わりに、友達のいない彼女は彼にどんどん惹かれていく。

キッドマンの話では、パク監督は悪の起源と“悪感情”という考え、それが世代を超えて受け継がれるものかどうかを探求しようとしていたという。

「パクはとても穏やかな人なのに、すばらしい映画を作っているし、とんでもないアイディアを持っている人。彼は作品で、とてもパワフルで知的なアイディアを提唱している」と彼女は語る。「それはこの『イノセント・ガーデン』でも同じよ。彼は、あるレベルではスリラーと呼べる本作の中で、とても緊迫した雰囲気を生みだし、緊張はどんどん増していくけれど、この話は実は、悪と悪の起源を描いたものなの。」

「撮影中、監督が私に悪感情<敵意>を描いた映画を作りたいと言ったの。でも、あとになってから、『ああ、他のことも描いているんだ』というようなことを言っていた。でも、私は監督から最初に言われたことをよく覚えているし、あの言葉はとても強い印象を残したわ。」
「ある意味、あの話はとても韓国らしいものに思える。悪感情が家族の中で受け継がれるとか、実際にそういう結果になるかどうかといったところだけど。生まれつきvs.育ちの問題ね。私にはそこがとても面白く思えた。」

“復讐3部作”として知られる『復讐者に憐れみを』、『オールド・ボーイ』、『親切なクムジャさん』を含むパク・チャヌクのこれまでの作品には、なまなましい暴力が描かれることが多い。
必要のない暴力を利用するような映画には興味がないキッドマンだが、パク監督は、特にこの『イノセント・ガーデン』では、暴力をストーリーの重要な一部として使っている点を指摘している。

cine_ino「私は搾取的な暴力は好きじゃないけれど、関連性がある場合に映画で暴力を使うことには反対していない」彼女が語る。「知的なアイディアが元になっている限り、それに単なる搾取でなければ、そういう作品も検討するし、非理知的に、知的に要求されることもかまわないわ。」
「私はそういう要求は受ける気持ちがあるし、オープンに対応する。たとえば芸術を見せるような形だったら、自分の芸術で暴力を扱うこともかまわない。文学や映画という観点では、暴力があることを受け入れているから、時には、進んで自分自身をそういう要求される立場におくつもりもあるわ。」

キッドマンは共演者で、同じオーストラリア人のミア・ワシコウスカからも強い印象を受け、若いミアの将来がすばらしいものになるだろうと予測している。

「私は彼女にこう言ったの。『アドバイスが欲しいと思ったら、いつでもどうぞ』って。私も年上の女優に同じことを言われて、時々、彼女たちから助言をもらったことがあるわ。私は本当に彼女の手助けになりたいと思っている。女優を続けていく上で、時にはやりにくいこともあるからよ。」
「だれがサポートしてくれるか?が肝心でしょう。そういうアドバイスを申し出る立場はいいものよ。でも、ミアはかなりしっかりしている。彼女がセットにいた時に、『どんな本を読んでいるの?』と聞いたの。すると、彼女はチェホフを読んでいた。それだけで彼女が大好きになったわ!」

「私としては『その調子。思った通りの子ね!』と思った。ほとんどの人が電話で話をしているような時に、彼女は読書をしていた。私も以前は本を読んでいたわ。だからこそ私は役者になった。とてもたくさん本を読むからよ。読むのは戯曲だけではなくて、文学作品も多いの。そうやって私は感受性を磨いたし、子供の時には読書が最高の逃げ場だった。本は大好きだったわ。」

「彼女からはアドバイスを求められていないの。彼女にはすばらしいご両親がいて、二人はセットにもいらした。彼女は大きなサポートを手にしているし、すばらしいスターとしてりっぱにやっている。とてもすばらしい人柄で才能もある。だから、こんなふうに言うのはいいことよ。『必要があったらいつでも電話して』と。」

キッドマンの言う「生まれつきvs.育ちの問題」の決着は果たしてどうなるのか? 戦慄、のち、陶酔-美しくも危険なミステリーが今ここに迫る。ぜひお見逃しなく。


09954add『イノセント・ガーデン』
監督:パク・チャヌク
脚本:ウェントワース・ミラー
製作:リドリー・スコット/トニー・スコット/マイケル・コスティガン
出演:ミア・ワシコウスカ/ニコール・キッドマン/マシュー・グード
2012年/アメリカ映画/99分/PG12 配給:20世紀フォックス映画
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