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日本の和食が無形文化遺産に登録され、早一年が経つ。日本の伝統的な食材の魅力が再認識されるとともに、季節感や素材感を大切にする和食ならではの調理法にもスポットライトが当てられている。 創業106年、国内包丁シェアトップを誇る刃物メーカー「貝印株式会社」は、調理器具のハイラインシリーズ「Kai House」から、ミシュラン東京で星を獲得した日本料理屋「一凛」の店主である橋本幹造氏とともに、"家庭で和食作りを楽しむ”をコンセプトとした和包丁「橋本幹造 両刃包丁」を共同開発した。開発期間は約2年にも及んだという。

写真上:「橋本幹造 両刃包丁」5寸 10,000円、7寸 15,000円

日本料理屋「一凛」は、日本料理の伝統を守りつつ、旬の食材の味を活かし、四季の移ろいを表現した繊細な味わいの京料理が評判だ。その店主であり、気鋭の日本料理人として注目を集める橋本氏は、料理だけでなく、和食の素晴らしさや和食の技術を未来に伝承したいと話す。

橋本氏は、日本食をつくるための和包丁について次のように説明する。「和食は食材一つ一つの味を活かし、引き算していく料理。食材を切る時は、包丁の刃を前に滑らせながら切れば、食材を傷めず、本来のみずみずしさが失われない。雑味も出ない。だからこそ、薄味で調理することが可能になる。包丁の使い方ひとつにも、和食を作るための理にかなった切り方というのがあるんです。」

今回誕生した両刃包丁は、橋本氏が考える和食の調理にかなった理想の形を追求している。柄は、握りやすく長時間調理していても手に負担が少ない。刃先は、やわらかい食材を突いたりと細かな作業ができるよう、先端を切り落とした形になっている。

また重心の位置と重さは、橋本氏が何十本もの試作品を、実際に調理で試して決定したという。包丁の重心を柄よりも刃のほうへ置くことで、包丁自体の重さを利用した使い方が可能となり、まな板の上でトントントンと小気味のいい音で、軽快なリズムを刻みながら、食材をうまく切ることができるのだという。和食創作の醍醐味でもある料理への細工や飾りつけを行うのも容易だ。発売は、2月23日より、専門店、百貨店、貝印公式オンラインストアなどでスタートする。

いつもの調理法に、ちょっとした創作を加えるだけで、日本人としてより心豊かな食卓を演出することができるのだ。

■お問い合わせ先:貝印お客様相談室 Tel:0120-016-410
http://www.kai-group.com/global/

■日本料理屋「一凛」 http://www.mikizo.com/