ギリシャ人アーティストのミハイル・ギニスが、古代ギリシャの服の考え方を原点にしながら、日本の生地でオリジナルのクリエイションを展開するブランド「MICHAIL GKINIS（ミハイルギニス）」。今回、等々力渓谷の緑に囲まれた美しいロケーションにあるアトリエ兼直営店のスカーフサロン「MICHAIL GKINIS SPACE↑等々力渓谷」を訪れた。

ミハイルさんは、ギリシャで生まれ、20代をロンドンで過ごした。ロンドンカレッジオブファッション（ファッションデザイン＆テクノロジー/ロンドン）在学中に、東京でコレクションブランドにてメンズウェアを経験。それがきっかけで日本のテキスタイルに魅了され、東京に移住した。以来、日本全国から高い手工業の技術を持つ職人たちを訪ね歩き、新しいテキスタイルの開発にも取り組みながら、一枚の布から生まれるクリエイションを追求している。

ブランドのコンセプトは「INDUSTRIAL ＆ NATURE」。和歌山県や静岡県・浜松の職人たちと共に開発した日本製のスーパーハイテク生地に、ギリシャの自然からインスパイアされたデザインを掛け合わせて、オリジナルのスカーフと、そこから派生する服を作り出している。全てハンドメイドで生み出されているスカーフは、まるでウェアラブルアートのように唯一無二の存在感を持ち、着る人のスタイルや気分に合わせて、思い思いの着こなしを叶えてくれる。ミハイルさんはそれを「服になるスカーフ」と呼んでいる。

「日本の生地には、西洋のテキスタイルには感じられない風情があります。」と語るミハイルさん。「糸と糸の間に、まるで日本のきれいな空気や水が織り込まれているかのように、私には感じられるのです。つくり手のものづくりに対する姿勢や、ものを慈しむ日本人ならではの優しさがそこにはあるのかもしれません。私は日本のものづくりの素晴らしさを、スカーフを通して発信していきたいと思っています。」