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温暖な気候に美しい海、琉球王国の名残りを色濃く残す文化遺産──。国内でありながら、異国情緒と独自の文化が味わえ、気候に恵まれた沖縄は、性別・年齢層を問わず人気のデスティネーションだ。多彩な表情を持ち、さまざまな楽しみ方ができる沖縄のなかでも、琉球文化に向き合い、知的でエキサイティングな旅を楽しみたいなら首里への旅がおすすめ。今回は、veritaの「首里旅」おすすめスポットを一挙ご紹介! 世界遺産・首里城や赤瓦屋根が並ぶ石畳の街並み、伝統菓子や泡盛の老舗や首里の新しい息吹を感じるショップなど、琉球王国の城下町には見どころが満載。沖縄が琉球と呼ばれていた時代の空気が流れるノスタルジックな「首里」で、五感を刺激する特別な時間を過ごしたい。

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首里城では、毎朝8時30分に行われる御開門(うけーじょー)という開門の儀式や日没後、温かみのある色のライトが城郭を照らすライトアップなど、時間を変えて異なる表情が楽しめる。

高台に位置する首里城から見下ろす那覇の街の景観もダイナミック。

「首里城」は、首里を、いや、沖縄を訪れたからにはぜひ訪れたい場所。首里城の近くに宿を取り、1日、何度でも足を運んでみたい。中国と日本の建築様式のなかから沖縄の風土に合ったものを採用した、鮮やかな朱に彩られた首里城は、日本のほかのお城とは異なる風貌を持ち、かつて琉球が中国との貿易で栄えていたことを雄弁に語っている。正確な創建年代は分かっていないが、13世紀末から14世紀には存在したとの説が有力だそう。第二次世界大戦時に焼失したものの、沖縄の日本復帰20周年にあたる1992年に復元。2000年12月には「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界遺産に登録された。

首里城のある首里城公園は有料エリアと無料エリアに分かれていて、正殿は有料、城壁外は公園として無料で開放されている。無料の公園エリアにも見どころは多く、そのひとつが2000円札の絵柄になっている「守礼(しゅれい)門」。中国の影響を受け、風水に基づいて建築された首里城は、古から今に伝わるパワースポットでもあるのだ。

有料エリアに入ると、朱色に色彩豊かな装飾が施され、復元された正殿がお目見え。日本と中国の文化が入り交じった玉座や至るところに配された金色の龍の彫刻など、正殿内の意匠にもほかの日本の城とはことなる琉球王朝ならではの特徴を見ることができる。首里城からの赤瓦の屋根が広がる様子は、そこはかとない気品といつまでも眺めていたくなるような温かみをたたえている。

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「礼節を重んじる」という意味を持つ「守礼門」をくぐり抜けた左側には世界遺産の一部に登録されている「園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)」が。神が集まる神聖な場所とされ、琉球の歴代の王たちは遠出する際には必ず安全祈願を行ったとか。

  • 住所:沖縄県那覇市首里金城町1-2
  • Tel:098-886-2020

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道の両側には、蔦のからまる苔むした石垣や赤瓦屋根の民家があり、琉球王朝時代の面影を今に伝える。

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真玉道から金城町石畳道を歩く道すがら、御嶽や井戸(ガー)など、たくさんの史跡を見ることができる。

珊瑚の体積によってできた大小の琉球石灰岩を敷き詰めた石畳の道が作られたのは、約500年前。首里から沖縄本島南部へ通じる主要道路・真珠道(まだまみち)の一部として整備され、総延長約10kmにも及んだ道だったが、そのほとんどは戦争で焼失した。首里城からほど近い場所にある、約238mの長さの「金城町石畳道」だけが現存。「日本の道100選」にも選出されている。でこぼこした琉球石灰岩の道は、経年により摩耗しているため、雨などで濡れているとかなり滑りやすい。散策時は、サンダルなどではなく、歩きやすい靴がベター。

  • 金城町石畳道
  • 住所:沖縄県那覇市首里金城町

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根元に穴が空いている大アカギ。並々ならぬエネルギーを感じさせる大木だ。

金城町石畳道から少し横道に入ったところには、樹齢200年以上ともいわれる6本のアカギが自生。奇跡的に戦火をまぬがれた金城町の大アカギは、「神の大木」と称され、国の天然記念物にも指定されている。なかでも根元に穴が空いている大アカギには、旧暦6月15日に神が降り、願い事ごとを叶えるという古くからの言い伝えがあるそう。別の世界に吸い込まれていきそうな、神秘的な空気が漂うこの場所は、天然のパワースポット。

タクシーのドライバーさんに、「気分が悪くなる人もいるけど、大丈夫だった?」と心配されるくらい、圧倒的なエネルギーの中に身を委ねてみたい。きっと神様が降り立つのはこんなところだろうなと思わせる「何か」をぜひ体感して。

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浜辺に打ち上げられた、化石になったサンゴを半分に切ったものを型として使用。大小さまざまなサンゴの上に、布地を敷き、布で染めていく。

沖縄の伝統的な型染め「紅型(びんがた)」と「サンゴ染め」の生活雑貨を販売。オリジナルの染め物も魅力だが、こちらに来たらぜひ体験したいのが、「幸せを呼ぶ石」とも呼ばれているサンゴを使った「サンゴ染め」(3,240円、材料費込み)。首里城の高台や金城町石畳道に敷き詰められた岩などは、すべてはサンゴが堆積してできたもの。「サンゴ染め」は、そんなサンゴとゆかりの深い首里ならではのアクティビティだ。手ぬぐいやコースター、トートバッグ、Tシャツなど、好きなアイテムに、サンゴで色づけができる。サンゴの型はすべて異なり、また色は重ね合わせることもでき、デザインの可能性は無限。やりはじめるとつい夢中になってしまうはず。

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ゆいレール儀保駅から徒歩3分。気をつけてチェックしないときっと多くの人が見逃してしまうだろう、小さな小さなアクセサリー工房。4畳半ほどの店内には奥に工房を併設。伝統工芸である金細工をアレンジした、シルバーや真鍮のアクセサリーを中心に、制作・販売を行っている。伝統文化と現代性が絶妙に混ざり合ったアクセサリーはどれも他ではあまり見ることのない個性的なものばかり。なかでも目を引くのが、琉球王朝時代、士族の婚礼の際、親から子に贈られていたとされる、「房指輪」をモチーフとしたアクセサリー。「房指輪」に連なる7つのチャームは、亀=長寿、扇=末広がりの幸せ、葉=衣服に恵まれるように、桃=子孫繁栄など、それぞれに意味を持つ。シーサーやこうもりなど、沖縄らしい絵柄を題材にしたデザインも取りそろえている。

製作を手がけ、また、店舗を営むのは、古美の質感を愛してやまない、同じ年の2人の女性。「身につける方が経年変化により独自の質感を作っていくことのできるものづくり」をテーマに掲げる同店には、自分だけの「相棒」が待っているかも。

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<PR/取材協力>ダブルツリーbyヒルトン那覇首里城