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Installation View © Nacása & Partners inc. / Courtesy of the Fondation d'entreprise Hermès.

銀座メゾンエルメス フォーラムで、フランス人作家ミシェル・ブラジ―の日本初の個展となる「リビングルームII」 ミシェル・ブラジー展を開催中だ。

1966年、モナコ生まれのフランス人作家、ミシェル・ブラジーは、初期から一貫して、植物、野菜、果物、昆虫、微生物などを取り込みながら、身の回りの自然に息づく美と醜、生命のサイクルをありのままに、また詩的に問う作品を制作してきた。本展でブラジーは、生命が絶え間なく変化する空間でもある「リビングルーム」をタイトルに掲げ、文明が快適さのもとに排除しがちな風景にも対等なまなざしを向ける。

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左)Pull Over Time (detail) |2016 Photo: Le Portique / Simon Desloges Courtesy of the artist and ART : CONCEPT, Paris 右)Michel Blazy © Nacása & Partners inc. / Courtesy of the Fondation d'entreprise Hermès.

時間とともに移り変わる生成の過程そのものを見せるブラジーの作品は、完成したフォルムをもたず、生活者によるささやかな実験室さながら、キッチンやベランダでの野菜の発芽や育成、あるいは腐敗といった現象の増長を試みる。寒天のひび割れと剥離によって描かれる生きた壁画や、積み上げられたオレンジの皮が、数か月の間に朽ちていく様子を見せる作品などは、現代のヴァニタスとして無常を描くとともに、見慣れたものに息づいている時間の流れ、予期しない色彩やフォルムを取り出してみせる。

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Installation View © Nacása & Partners inc. / Courtesy of the Fondation d'entreprise Hermès.

衛星を重んじる生活環境の中で排除されがちな昆虫や動物などにも、新たな役割を与えて、作品に登場させたり、文明が生み出した物質も共存する。型落ちした家電製品に植物を寄生させるシリーズでは、商品のライフサイクルと自然本来の時間を対比させながら、文明や存在のはかなさや逞しさをユーモラスに描き出している。

<作家プロフィール>ミシェル・ブラジー Michel Blazy
1966年、モナコ生まれ。フランス・パリ在住。1990年代よりキッチンの日用品や自宅の庭で採取した植物などを用いた作品を制作。ユーモアを織り交ぜた詩的な表現で、自然とテクノロジー、有機物と人工物といった相反するものを調和させる世界を提案している。主な個展に『Living Room』(ヌオーロ県立美術館、ヌオーロ、2016年)、『Pull Over Time』(Art : Concept、パリ、2015年)、『The Great Restaurant』(ル・プラトー、パリ、2012年)、『Post Patman』(パレ・ド・トーキョー、パリ、2007年)。


「リビングルームⅡ」 ミシェル・ブラジー展
開館日: 9月16 日(金)~11月27日(日)
開館時間:
月~土:11:00~20:00(最終入場は19:30まで)
日:11:00~19:00(最終入場は18:30まで)
休館日: 不定休 (エルメス銀座店の営業時間に準ずる。)
入場料: 無料
会場: 銀座メゾンエルメス フォーラム (中央区銀座 5-4-1 8 階 Tel:03-3569-3300)
主催: エルメス財団
協力: Art : Concept
後援: 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本

http://www.maisonhermes.jp/