s2021-0308-Il-Lato7
コロナ禍の影響が長引くこのご時世で、悲しくもお気に入りのレストランが閉店になってしまったという方もいるだろう。しかし、そんな最中に新規開業のレストランも続々出現中だ。 苦境に屈せず奮闘を続ける飲食業界にあって、そんな新規開業レストランの明るいニュースに目を向けてみたい。ミシュラン掲載の人気寿司店の姉妹店や、実力派シェフが独立開店など、注目の新店舗を開拓して新たにお気に入りとなる一軒を見つけて。

#渋谷「すし光琳」 #4月1日OPEN
ミシュラン掲載の人気店の姉妹店が大人の街、奥渋に誕生!



sushikourin 「ミシュランガイド東京2021」でビブグルマンを獲得した初台の人気寿司店「すし宗達」の姉妹店「すし光琳」が、2021年4月1日(木)に渋谷・神山町にオープン。渋谷駅前の喧騒を離れた閑静な奥渋谷エリアに、カウンター12席のみの落ち着きのある一軒が誕生だ。

初台の「すし宗達」同様に、ネタは店主の新田真治氏が確かな目利きと卸売との強い信頼関係で、毎日豊洲市場から仕入れる良質な旬のネタ。まろやかで深みのあるコクと旨味、風味が特徴の「赤酢」と「白酢」を5:5の割合で合わせて一度沸騰させ、酸味を飛ばすことで、子どもからお年寄りまで食べられるやさしい酸味に仕上げた本格寿司だ。それを1貫からお好みでオーダーするスタイルも変わらない。
sushikourin2 黒板には、1貫80円~のにぎりをはじめ、「真タコのやわらか煮」(1,080円)や「白子焼き」(1,280円)といった一品料理が並ぶ。価格は良心的でも味は本格的。ゆず皮を酢飯にあてて藻塩で上品に仕上げた白イカ(1貫380円)やとろけるような中トロ(1貫480円)のにぎりなど、丁寧な仕事と新鮮なネタが相まって思わず笑みがこぼれる。濃厚な味わいの「あん肝ポン酢」(1,280円)はボリューミーで、まるで馬刺しのような赤身肉の「ニタリクジラ」(980円)は自家製五条葱醤油でいただいてなどなど、おすすめしたい一品料理も豊富だ。日本酒も1合480円~という良心価格が嬉しい。

昨今の寿司店と言えば、おまかせコースのみの高級路線かまたは1皿100円~の回転すしチェーンが盛況だが、「すし光琳」では客単価5,000円~8000円の価格帯を設定。店主の新田さんは「本格的な味わいの寿司を、誰もが楽しんで食べることができる街場寿司を目指しています。適正価格で提供する努力と誠心誠意心を込めてお店を運営することで、必ずお客様はついてきてくださると思っています」と語る。今年5周年を迎える「すし宗達」同様に、地元の人々に愛される人気店になること間違いないはずだ。

IMG_1632_c
「すし光琳」
https://sushi-kourin.owst.jp/
東京都渋谷区神山町11-10 梅澤ビルB1
Tel:03-6407-9516
営業時間 月~日、祝日、祝前日: 17:00~24:00 (料理L.O. 23:00)※状況により変更となる場合あり
不定休
#新宿三丁目「Il Lato(イル・ラート)」 #2月22日OPEN
予約困難店として人気を博したイタリアンの実力派シェフが独立開店



illlato1緊急事態宣言下の2月22日(月)、新宿三丁目の駅前にイタリアンレストラン「Il Lato(イル・ラート)」がオープンした。シェフの古井繁規氏は、新宿三丁目「OSTERIA OLIERA(オステリア・オリエーラ)」に9年間、南青山「RISTORANTE PEGASO(リストランテ・ペガソ)」で2年間、シェフとして腕を振るい、在任中、「オステリア・オリエーラ」は予約困難店となり食べログアワードを8年連続獲得、「リストランテ・ペガソ」はゴ・エ・ミヨに掲載されるなど人気を博し、その実力は折り紙付きだ。満を持してオープンした「イル・ラート」は、緊急事態宣言下という苦境時期からのスタートとなったが、フーディーズの間で早くも話題になるなど注目を集めている。

新宿三丁目駅前という立地でありながら、店内は席間をゆったりと取りながらナチュラルな木製のテーブル席8席とオープンキッチンのカウンター11席から成り、照明を落とした落ち着いたムードを演出した大人のイタリアンレストランだ。メニューは10皿前後のコース(9,900円)と13皿前後のコース(16,500円)(※ともに消費税込み)の2コースを用意。

この日いただいたお料理の一品目は、「アオリイカのタルタル仕立て」(写真上)。古井シェフのイタリアンは魚と野菜中心のコース仕立てで、とりわけ鮮魚料理は、以前からも古井シェフの評判を上げてきた逸品が揃う。甘鯛やメヌケ、白子など毎朝市場に出向いて仕入れる鮮度の良い素材を入荷し、見目麗しいイタリアンに仕上げるのだ。そしてどちらのコースにも必ず入るのがトスカーナの伝統的家庭料理「リポリータ」。玉ねぎ、モロッコインゲン、季節の野菜など27種類もの野菜をたっぷりと使ってじっくり煮込んだ一品で、とろりとしたスープに素材の旨みが凝縮されていながら、ひとつひとつの素材の食感もちゃんと残っており、やさしい野菜の美味しさと温かさが身体に沁みるような滋味深さ。ちなみに同店では、三ッ星レストランにも卸されている梶谷農園の無農薬ハーブのサラダなどもメニューにラインナップする。
illato2 イタリアンに外せないパスタ料理からは「牛テールの赤ワインソースのタヤリン」。タヤリンは、ピエモンテ州の伝統的な地パスタだが、細い平麺で生地に卵を多く使う濃い黄色をしたパスタ。その日はシンプルなトマトソースの味付けで登場したが、シンプルなだけに素材とパスタのバランスの良さに引き算の妙が伺える。メインは、黒毛和種の但馬牛の炭火焼(写真上)。オープンキッチンなので、お肉をじっくり焼いているのが客席からよく見える。サーブされて口に入れると外はしっかり焼かれているが、中はやわらかで純血の和牛の赤身の旨みがじわり。自身は塩をあまり使わない(使いすぎない)のが調理の特徴と古井シェフ。メインはしっかりお肉料理だが、魚介、野菜の美味しさとのバランスで、食後感はほどよく、身体にやさしいイタリアンとして何度も足を運びたくなる良い一軒だ。

illato3 「Il Lato(イル・ラート)」
https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13256289/
東京都新宿区新宿3-6-2 栄ビル4F Tel:03-6709-9987
営業時間:18:00〜21:00(L.O.)
緊急事態宣言下では18:00〜21:00で営業
定休日:水曜日
#銀座「季苑(KION)」 # 4月5日OPEN
日本酒と季節の創作料理のペアリングを堪能する一軒



銀座は8丁目、博品館の裏路地にあるビルの地下2階に、季苑(KION)が4月5日(月)にオープンした。カウンター8席のこじんまりとした店内は、日本酒を味わうにふさわしくしっとりとしていて寛げる雰囲気。メニューは、先付け1品と季節のお料理3品、小さい皿の香のもの1品に日本酒のペアリング(5種類)で7,000円(税別)、ノンアルコールドリンクとお茶のペアリングは6,000円(税別)これにテーブルチャージ1,000円のみ、日本酒をおかわりしたい時は1杯500円(税別)でというシンプルな構成。メニューを監修するシェフは定期的に替わり、オープンの4月5月は、日本で活躍しているアメリカ人女性シェフの マリベス・ボラー氏が監修したメニューを提供する。今後は日本各地の蔵元や、食材とのコラボレーションも予定している。

f6ce84beマリベスシェフは、ニューヨークのジャン・ジョルジュ、ロンドンのマイケル・ルーなどで研鑽を積み、その後、バーグドルフグッドマンにある伝説的レストラン "BG" で総料理長を務め、レストラン3店鋪を監督、また、BGの料理本においてはレシピ監修も手がけた。2014年以降は、日本のアメリカ大使館での総料理長に着任。ケータリングからイベントでの大人数への料理の提供などの経験を経て独立した。季苑(KION)では、「食をシンプルに、新鮮で、その土地土地の旬の食材を生かすことを信念」とする彼女のクリエイティブな感性によって、和洋折衷さまざまなテイストを盛り込んだ料理と日本酒とのペアリングを楽しめる。

(写真左上)左から、店舗プロデュースの村上由氏、マリベルシェフ、唎酒師 土井貴文氏、サービススタッフの鈴木達也氏。

bar 0240_xlarge

bar 0288_xlarge日本酒は、全国の酒蔵を巡った土井貴文氏が選定。はじめに登場したのは、長野県宮坂醸造による辛口ですっきりした味わいの「真澄 スパークリング Origarami」を先付の「きたあかりの手作りポテチと海苔サワークリームのディップ」と合わせた。サワークリームに海苔の風味を加えたユニークなディップの酸味が、泡モノながら辛口で日本酒ならではのコクと旨みを引き立てる。メインの3品はお重スタイルで登場。「カリフォルニアEXVオリーブオイルと鰹風味のパンナコッタ パルメザンチーズと鰹節のクラッカー」は、鰹節の風味と合うコクと旨みを持つ生もとを熟成した珍しい栃木県のお酒「惣誉 生もと仕込 特別純米」と合わせた。真ん中のお重は、ビーツやいちごなど多彩な素材をホワイトバルサミコと出汁醤油のドレッシングでマリネしたサラダに、レモンの酸味が加えられた大豆とカボチャのフムスが添えられた海苔とチーズのスティックパイが登場。合わせたのは独特の甘味を持つ長野県井賀屋酒造の「岩清水」。柑橘系の酸味ともマリアージュする懐の深いお酒だ。最後のお重には、サクラマスのソテーに玄米おにぎり、季節野菜のソテーが盛り合わせ。シナモンや八角といったシノワズリな香りでまとめ上げられていた。こちらもあまりお目にかかることのない福井県三宅彦右衛門酒造「早瀬浦 大吟醸 本生原酒」と合わせる。キレのある辛口ながら大吟醸のエレガンスさと風格を持った日本酒の香りとお料理がユニークに香りのマリアージュを見せた。味わいに奥行きのある日本酒のアテに、辛味、塩味、甘味、酸味、苦味といった五味をマリベス氏ならではの創作料理で表現した斬新で新しい発見のあるペアリングだった。静かに日本酒を味わいたい時に、女性ひとりでも訪れられる一軒だ。オープン時は、完全予約制にてスタートするため事前に要予約を。

bar 0021_xlarge「銀座 季苑(KION)」
https://www.kion-ginza.jp/
東京都中央区銀座8-7-10 FORGED Bld. B2
e-mail:info@kion-ginza.jp
<下記QRコードより予約可能>
cdd32797cc905f4e756309e8fe6a2d7f20579a3f
#六本木 東京ミッドタウン「BAROLO(バローロ)」 #3月22日OPEN
トラディショナルなイタリアンの郷土料理を美味しいワインとともに



barolo 3月22日、東京ミッドタウンにオープンしたイタリア料理店「BARORO(バローロ)」は、本場イタリアで長い経験を持つ革島宏一氏の監修のもと、トラディショナルなイタリア料理と店名でもあるイタリアワインの王様バローロをはじめとする料理に優しく寄り添う美味しいワインを提供する。

バローロは、イタリア・ピエモンテ南部ランゲ地方の限られた地域でつくられるネッビオーロ種100%の赤ワインで、タンニンの含有量が非常に多く30年以上の長期熟成に適したワインとして世界中で愛されている。同店は、バローロのように東京の地で5年、10年と人々に愛され、熟成されるようなレストランを目指しこの名を冠した。

スペシャリテは、魚介のだしと旨みのコクがピリリとしたペペロンチーノを辛みをアクセントにしたヴェネツィアの定番パスタ「ヴェネツィア風イカ墨のソース ペンネ」(1,600円)と、濃厚なポルチーニの風味とミートソースを合わせ、中にゆで卵を加えた郷土料理の趣たっぷりの「ポルチーニとミートソース、卵の木こり風ラザニア」(1,800円)だ。訪れたらぜひオーダーしてみて。

同店で特筆すべきは、常時10種類ほどのバローロを用意し、「本日のバローロ」としておすすめの1杯をグラス2,200円で楽しめるところだ。また平日のランチには前菜、選べるメインディッシュ、本日のデザートとコーヒーまたは紅茶で2,300円と、パスタ料理を加えた3,400円の2つのコースを用意していて、ミッドタウン界隈のランチ価格帯からしてもお得感がある。ランチ、ディナー以外でも、バーカウンターのバーメニューにはおつまみ的な軽食も用意されていて、アペリティーヴォを楽しんだり、カフェタイムの利用もできるなど、使い勝手の良い点はおすすめしたい。

barolo2(写真)飛騨牛のタリアータ ピエモンテの田舎風のレシピ(4,900円)

外観1「BAROLO(バローロ)」
https://stillfoods.com/barolo.ved/
東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウンガーデンテラス1F
Tel:03-5413-3655
営業時間:平日ランチ11:00~15:30 (14:30 L.O.) ディナー17:00~22:00 (21:00 L.O.)
土日祝ランチ11:00~14:30、カフェ14:30~16:30 ※食事可、ディナー16:30~22:00 (21:00 L.O.)
※最新の営業時間はHPより要確認
Instagram:https://www.instagram.com/barolo.ved/