koke_koyto
京都は古都でありながらも、レストランシーンにおいては、時に新たなムーブメントを巻き起こし、いつも私たちをワクワクさせてくれる。コロナ禍にあっても注目の新店が目白押しだ。和食あり、モダンスパニッシュ、イタリアンあり。そんな京都で、今年オープンした注目の3つの新店を紹介しよう。

#2021年3月16日OPEN
日本料理 研野
異ジャンルを取り込んで昇華する日本料理のモダニティ―



Verita驕捺・蟇コ縺輔¥繧・遐秘㍽ 平安神宮からほど近く美術館や劇場が立ち並ぶ岡崎に、2021年3月16日、オープンした「日本料理 研野」。店主の酒井研野氏は、「菊乃井 無碍山房」の料理長を経て、NY「Shoji at 69 Leonard Street」、京都「LURRA°」、京都「京、静華」に勤務。伝統的な日本料理の知識・技巧をベースに、異ジャンルでの経験を生かしながら、”今”を感じる日本料理を作り出している。
89b9db70コースは14,300円のおまかせ1本。料理は全12品程度となっているが、注目すべきは中華料理のエッセンスをうまく取り入れているところだ。造りや腕ものなどの和食の王道はしっかり押さえながらも、中華料理の焼き物には味噌を使ったり、和の食材に紹興酒漬けなどの中華料理のテクニックを加えたり。また和食であれば鮎と蓼酢という王道の組み合わせにとらわれず、中華料理の代表的な香辛料である四川山椒や唐辛子を加えるなど、味の緩急をつけながら飽きることなく最後まで一気に駆け抜ける構成になっている。そんな中に郷土青森の食材をうまく取り入れ、懐かしいエッセンスを取り入れているところにも着眼したい。

馴染みのある食材や味を取り入れ、馴染むものを造りたいとう31歳の若き料理長が作り出す料理には、すでに多くの人々の心を掴んでいるようだ。

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「日本料理 研野」
住所:京都市左京区岡崎徳成町28-22
Tel:075-468-9944
定休日: 日・月曜日、不定休あり
営業時間: 17:00、20:00(2部制)
コース料金 14,300円(税込・サービス料なし) 
#2021年4月14日OPEN
Restaurant Koke (レストラン コケ)
井戸の湧き水をくみ上げて仕立てるもてなしの料理


koke_koyto神戸にある名店「Ca sento(カセント)」出身のシェフである中村有作氏が率いる「Restaurant KOKE (レストラン コケ)」。フロアを担当するのが、同じく「カセント」出身のソムリエの大山達也氏だ。シェフの中村氏は、神戸の「カセント」や東京の深大寺にある「Maruta(マルタ)」を経て、2021年4月14日、この地で独立。烏丸御池駅から徒歩4分、蛸薬師という場所に新たにできた「IDO」という建物でその産声を上げた。
注目すべき点は「水」。建物の敷地内にある庭には井戸が掘られ、味の基本となる清らかな湧き水が各店舗まで特別の仕組みで届けられ使われている。白を基調とした空間に軽やかな色合いの木材が使われ、自然との共生を感じる店内からは、モダンな日本庭園のような景色が時折視界に飛び込んでくる。所々に置かれた中村氏セレクトのセンス抜群のアートも、温かな気分にさせてくれる。
kyoto_resuturant2-3 ランチ13,000円、ディナー19,800円(共に税込・サービス料別)のそれぞれおまかせ1コースのみだが、期待に違わず「カセント」仕込みの繊細な前菜から始まり、日本各地の調味料や食材などを使ったガストロノミックな料理に仕上がっている。またメインのお肉は経産牛などを使うなどサスティナブルな取り組みにも挑戦しているようだが、このお肉の火入れが実に素晴らしい。中村氏が「カセント」や「マルタ」で学んだ「薪焼き」の経験が、しっかりと活かされているわけだ。
kyoto_resuturant2-2京都の中心にありながら清らかな気に満ちたこの空間は中村氏の最高のステージ。今後の中村氏の活躍が楽しみだ。

DSC04554「Restaurant KOKE (レストラン コケ)」
住所:京都府京都市中京区蛸薬師287 ido 1F
Tel: 075-223-5055
定休日:月曜日
営業時間:ラ ン チ[金~日] 12:00~15:00(L.O.12:30)
ディナー[火~土] 18:00~23:00(L.O.19:00)
ランチ13,000円、ディナー19,800円(共に税込・サービス料別)
#2021年3月13日OPEN
小松 CUCINA ITALITNA
古民家を改修したプライベート空間で憩いのイタリアンを



Verita驕捺・蟇コ縺輔¥繧・蟆乗收元百万遍町の住宅街に2021年3月13日にオープンした「小松」。もともと料理店を営んでいた祖母の家を引き継ぎ改築した店舗は、祖母の代で途切れてしまった「小松」の性を店名としたという温かな物語を持つ新店だ。1階は厨房を囲むカウンター10席がメインで、2階にはテーブル席の個室があり、用途によって使い分けができるようになっている。

オーナーシェフである石田晋司氏は、大阪にあるイタリアンの名店「PONTE VECCHIO(ポンテベッキオ)」にて16年勤め上げ、満を持しての独立だ。ランチは5,500円、ディナーは13,200円(共に税込・サービス料込み)のお任せのみ。季節の食材とイタリア料理ならではのソースや技法を使い、いずれのコースにも、パスタが2種付きボリュームも満点だ。一皿は手打ちパスタであることも見逃せない。
kyoto_resuturant3-2 石田氏ならではのエッセンスを取り入れながらも安定した料理は、広い世代で支持されるはず。温かなストーリーを持つレストランは、美味しいもの好きな気の合う中間たちとゆったり訪れたいものだ。

250「小松 CUCINA ITALITNA(コマツクッチーナイタリアーナ)」
住所:京都市上京区油小路通一条上る元百万遍町557
Tel:075-285-3696
定休日:月曜定休
営業時間:ランチ 11:30~13:30 L.O、ディナー18:00~23:0018:00~23:00
ランチ5,500円、ディナー13,200円(共に税込・サービス料込み)
※なお緊急事態宣言、まん延防止措置等の今後の状況により、同記事内で紹介した営業時間やメニュー内容については変更する場合があるため、詳細は公式Webサイト等をご確認ください。

profile


Verita驕捺・蟇コ縺輔¥繧・繝輔z繝ュ繝輔ぅ繝シ繝ォ蜀咏悄
道明寺さくら グルメブロガー、グルメライター

食べ歩き歴25年以上。美食をこよなく愛するグルメライター。2007年にスタートしたアメーバブログ「美食コンシェルジュ 道明寺さくらの美味しい毎日」で、公式トップブロガーとして、美味しいお店や旅の情報を中心に発信。また、いま知りたいイタリアの情報満載のWEBマガジン「ITALIANITY」、ぐるなび×東京メトロ共同事業の「レッツエンジョイ東京」、日本の「食」と「旅」を楽しみながら、地域の魅力を語り合う「ニッポンごはん旅」に食の専門家として参加。WEB MEDIAでもグルメ情報を執筆中。