myoushinji写真 鈴木文人
京都市右京区花園に位置する妙心寺 桂春院では国指定である名勝庭園のライトアップを一般公開する拝観イベントを、10月1日(金)~12月5日(日)の期間内、金土日・祝日に実施する。

妙心寺桂春院は、枯山水庭園の名勝「苔の庭」として知られ、狩野山雪筆による「方丈障壁画」や千利休の流れを汲む非公開の茶室がある寺院として文化継承を担ってきた。本イベントは「幽玄の美を編む光、音、そして時間」をテーマに、初めてライトアップした境内を⼀般に公開。長浜城移築の書院でのお茶席では、一休宗純墨蹟、千利休・宗旦の茶杓を拝見したり、狩野山雪筆障壁画を背景に笙の演奏を聴けるほか、庭園を望む本堂縁側で京都𠮷兆の特製松花堂弁当をいただく(17時からの回のみ食事付)など、極力光を制限した「ほのかに照らし出された境内」で、一つの楽器の音色、一服のお茶が織りなす「幽玄の世界」を五感で楽しめるコンテンツが演出される。
井原季子氏1©︎FUMITO SUZUKI myoushinji2写真 鈴木文人

■桂春院について開催
織⽥信忠の次男・津⽥秀則が創建した⾒性院を始まりとする。秀則の死後、美濃の豪族・⽯河貞政が⽗の50回忌に境内を整え、桂春院と改めた。境内の庭園は⼩堀遠州の弟⼦・⽟淵坊の作庭で「清浄の庭」「侘の庭」「思惟の庭」「真如の庭」の4つで構成され、その苔の美しさから「苔の庭」と呼ばれる。また、時期をずらしながら紅葉するモミジが美しく、紅葉の⽳場として写真愛好家に⼈気がある。⽟淵坊は桂離宮の作庭者と推測されているが、桂春院を含め⼿掛けた庭園のいくつかが名勝指定されている名作庭家である。他にも、千宗旦の弟⼦で宗旦四天王の⼀⼈として名⾼い藤村庸軒の茶室「既⽩庵」(⾮公開)を持つなど、千利休とのゆかりの深い寺院である。本堂には京狩野の⼆代⽬・狩野⼭雪筆による障壁画が納められている。

「妙⼼寺桂春院「幽⽞の美に触れる夜の拝観」開催概要
期間:2021年10⽉1⽇(⾦)〜12⽉5⽇(⽇) のうちの⾦⼟⽇・祝⽇
休⽌⽇:10⽉31⽇(⽇)、11⽉20⽇(⼟)
時間:①17時〜(⾷事付) ②17時15分〜③19時25分〜④19時45分〜※受付15分前
場所:妙⼼寺桂春院(京都市右京区花園寺ノ中町11)
内容:本堂での笙の演奏、長浜城から移築された書院でのお茶席、京都𠮷兆の特製松花堂弁当(17時の回のみ)、名勝庭園のライトアップ
料⾦:①のみ23,000円(税込) ②③④は12,000円(税込)
※原則としてオンラインでの予約(事前のクレジット決済)
お問合せ先:京都春秋 Tel:075-231-7015 FAX:075-231-6420
京都春秋ことなり塾 公式Webサイト:https://kotonarijuku.kyotoshunju.com/experience/426.html