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ドバイには絶景を誇るレストランが多いけれど、最高にロマンチックなシチュエーションをひとつ選ぶならば水上レストラン「Pierchic(ピアシック)」だろう。「ピアシック」は高級リゾートホテル群「マディナ・ジュメイラ」の中でも最高級にランクされるホテル「ジュメイラ・アル・カスル」内にある。 「アル・カスル」とはアラブ語で「宮殿」を意味するだけに、その空間は実にゴージャス。幾何学的文様やアラベスクで飾られた宮殿のような空間を通り抜けると南国の植物が生い茂る中庭やプール、船着場が次々と目の前に現れ、美しい光景に思わず立ち止まってみとれてしまうほど。10分ほど歩いてようやくジュメイラビーチにたどり着くと、100メートル以上はありそうな木製の桟橋が沖にあるレストランへと一直線に続いている。そう「ピアシック」はこの桟橋=ピアを渡って行く、ドバイで唯一の水上レストランなのだ。



ロマンチックな水上レストランで、 極上イタリア料理とアラビア海の絶景
Pierchic/ピアシック


dubai_pierchic02 コバルトブルーの海が見えるテラス席に着くと、間も無く女性シェフ、ベアトリーチェ・セゴーニさんが挨拶にきてくれた。イタリア出身のベアトリーチェさんはアドリア海に近いシーフードレストランで長年シェフを勤めた後、フェラガモが経営するフィレンツェのレストランでもシェフとして活躍。2019年にイタリアを離れて「ピアシック」のシェフに就任した。得意のシーフードを中心としたイタリア料理レストランは、文字通りシックな装いのゲストで昼夜賑わいを見せている。
dubai_pierchic03(写真)「ブッラータチーズとミニトマト」。
dubai_pierchic04(写真)「本日のカルパッチョ」は生のブリをラズベリーソースで。

前菜ならばなんといっても新鮮なシーフードを中心としたアンティパストがいい。よく冷えた「ブッラータチーズとミニトマト」や「ホタテのロースト」(写真トップ)、「本日のカルパッチョ」は今日届いたばかりだという生のブリをオリーブオイルと塩、ラズベリーソースで食べさせてくれた。
dubai_pierchic05(写真左)「ヴィテッロ・トンナート」。(右)「手打ちパスタ トルテッリーニ」。

仔牛肉の冷製ツナソース「ヴィテッロ・トンナート」も実に軽やか。よく冷えた北イタリアの白ワイン飲みつつ、こうした前菜をあれこれシェアしながら食べるのはなんともいえない至福のひととき。目の前には高さ320メートルの半月型超高級ホテル、ブルジュ・アル・アラブがこれまた海上に浮かんでいるように見えている。
dubai_pierchic06(写真)「魚介類のキタッラ」。
dubai_pierchic07(写真左)「アサリのリングイネ」。

ほどなくパスタが到着した。「魚介類のキタッラ」と「アサリのリングイネ」はいずれも長く海辺のレストランで働いたベアトリーチェさんの十八番。シンプルなパスタの旨味は、アラビア海に吹く穏やかな潮風と実によくマッチしている。デザートは「ババ」と「ティラミス」いずれもクラシックな定番デザートだが、海の上で食べると一味違う味わい。料理自体ももちろん素晴らしいのだが、なによりもこの絶景と海の上というロマンチックなシチュエーションが、料理を2倍にも3倍にも美味しく感じさせてくれるのだ。2020年はコロナで大変だったそうだが、いち早くコロナ禍が開けたドバイではその後どこのホテルもレストランも大盛況で「ピアシック」も連日ほぼ満席状態が続いているそう。
dubai_pierchic08(写真)デザートの「ティラミス」と「ババ」。

dubai_pierchic01「満席なのも嬉しいけど、なによりもこんな素晴らしい景色を毎日見ながら働けるなんて最高だわ」というベアトリーチェさん。ドバイの青い海と白い砂浜に囲まれた水上レストランでは、ゲストはもちろん働くスタッフまで幸せな気分に浸れることができる。特にサンセット時には実にロマンチックな夕日が見えるそう。とっておきのドバイの休日を過ごすなら「ピアシック」にまさるロケーションはないだろう。

気持ち良いランチタイムのあとは、食後の散歩を兼ねて「マディナ・ジュメイラ」内を散策するのもいいだろう。ホテル内を流れる運河では、伝統の渡し船アブラが運行しており、ホテルやレストラン利用者ならばいつでも無料で利用することができる。「マディナ・ジュメイラ」内にはアラブならではの市場=スークもあるので、ドバイならではのアクセサリーやお土産求め、迷路のような空間をしばし彷徨うのもまた楽しみのひとつだ。

Photo&Text Masakatsu Ikeda

restaurant information


screenshot.213 Pierchic(ピアシック)

住所:Jumeirah Al Qasar, Madinat Jumeirah, Dubai
Tel:l+971-4-4323232
営業時間:13:00〜14:30、18:30〜22:00(金土〜22:30)無休


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dubai_column02MADINAT JUMEIRAH
マディナ・ジュメイラ
5つ星ホテル、華やかなスーク、ビーチが集まる一大リゾート

アラビア語で「ジュメイラの都市」という意味を持つマディナ・ジュメイラ(Madinat Jumeirah)は、ジュメイラビーチに沿った40ヘクタールという巨大な広さを誇るドバイの一大高級ビーチリゾート。敷地内には3軒の5つ星ホテル、2キロにおよぶプライベートビーチ、華やかなスーク、50軒を超える様々なレストラン、ナイトスポット、ラウンジ、スパがあり、全長5キロに及ぶ運河(クリーク)で結ばれ、リゾート専用の伝統的なアブラ船に乗ってリゾート内を回遊できる。まさにドバイのラグジュアリーの粋を集めたような楽園リゾートだ。
紹介したイタリアンレストラン「ピアシック」は、中でもひと際ラグジュアリーな、まるでアラブの宮殿のようなグランドホテル「ジュメイラ・アル・カスル」にあり、店内や桟橋からは対岸にそびえるドバイのアイコン、アラブタワー(ブルジュ・アル・アラブ)が望める。

»「ジュメイラ アル カスル 」公式Webサイト




dubai_column01SOUK MADINAT JUMEIRAH
スーク・マディナ・ジュメイラ
豪華リゾートの一画に続く路地でアラビア風ショッピング

「ピアシック」での食事を楽しんだら、ぜひ足を伸ばして欲しいのがマディナ・ジュメイラの一画にある人気のアラビア風マーケット「スーク・マディナ・ジュメイラ(Souk Madinat Jumeirah)」だ。迷路のような路地裏にはランタンやスパイス、アラブの伝統衣装や絨毯のお店から、アクセサリーや小物までありとあらゆるお店が並んでいて、ぶらつくだけでも楽しい。ドバイ土産を探すのにはうってつけ。郊外にもオールド・スークと呼ばれる伝統的なスークがたくさんあるドバイだが、リゾート内なら市場での買い物初心者でも安心。もちろんホテルに宿泊していなくてもスークやレストランに訪れることが可能だ。夜には、バラエティ豊かな音楽や様々なアクティビティも楽しめる。

»スーク・マディナ・ジュメイラでアラビア風ショッピング(visitdubai.com)



NEW!
AURA SKY POOL LOUNGE
オーラ・スカイプール・ラウンジ
世界一高い場所にある"360度"インフィニティプールが誕生!

d31484-70-ef6a070199c72efca8b3-3「世界一」を冠する名所が数多く点在しているドバイだが、2021年11月にオープンした「オーラ・スカイプール・ラウンジ」は、360度の視界が広がるインフィニティプールを有するプール&ラウンジとして、世界で初めて地上200メートルの高さに位置する新スポットだ。 広さ750平方メートル のプールからは、 「パーム・ジュメイラ」、 「バージュ・アル・アラブ」、 「エイン・ドバイ」といったドバイのランドマークの絶景を一望できる。現在は人気のため完全予約制。詳しくは、公式Webサイトをチェックして。

»「オーラ・スカイプール・ラウンジ」公式Webサイト

協力:ドバイ政府観光局

profile


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池田匡克 ジャーナリスト、イタリア料理愛好家

1967年東京生まれ。1998年よりイタリア、フィレンツェ在住。イタリア国立ジャーナリスト協会会員。イタリア料理文化に造詣が深く、イタリア語を駆使してシェフ・インタビュー、料理撮影、執筆活動を行う。著書に『伝説のイタリアン、ガルガのクチーナ・エスプレッサ』『シチリア美食の王国へ』『イタリアの老舗料理店』『世界一のレストラン オステリア・フランチェスカーナ』など多数。2014年イタリアで行われた国際料理コンテスト「ジロトンノ」「クスクス・フェスタ」などに唯一の日本人審査員として参加。2017年イタリア料理文化の普及に貢献したジャーナリストに贈られる「レポーター・デル・グスト」受賞。WebマガジンSAPORITA主宰。
イタリアを味わうWebマガジン「サポリタ」
http://saporitaweb.com//

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