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アペリティーヴォとは、夕食前に家族や友人たちと軽食をつまみながら食前酒を楽しむイタリアの習慣だ。最近は日本でもアペリティーヴォが徐々に浸透してきているが、先日行われたのがイタリアを代表するリキュールメーカー「ディサローノ」によるアペリティーヴォ提案イベント「ディサローノ・デー」だ。 これは毎年午後7時30分に世界中のバーテンダーがオリジナルレシピで「ディサローノ」のカクテルを作り、愛好家たちを楽しませてくれる年に一度のイベント。今年は2022年5月19日、渋谷のTRUNK SHOTOで華やかに開催された。実は、ディサローノ・デーは4月19日だが、今年コロナ影響で一か月遅れでの開催となった。

disaronno_day01 美しいボトルデザインで知られる「ディサローノ」は、ミラノ近郊サローノで生まれたアマレットのリキュール。誕生は1525年と古く、原材料の杏子の種(杏仁)の香りとエレガントな甘みはイタリアのアペリティーヴォには欠かせない存在だ。

この日のゲスト・バーテンダーは2022年度アジアのベストバー50で、47位にランクインした京都「Bee’s Knees」のヘッド・バーテンダー山本圭介氏。会場にはカクテルにあうフィンガーフードやスイーツがずらりと並び、カジノテーブルやDJブースも設置されてイベントを盛り上げ、アンバサダーを務める女優の豊田エリーさんも来場。会場は華やかな空気に包まれた。
disaronno_day_02(写真)左「Bee’s Knees」のヘッド・バーテンダー山本圭介氏 :右:「PB&D」

山本氏が作ってくれたこの夜のカクテルは「ディサローノ」を使ったオリジナルカクテル2種類と「ディサローノ」のシグネチャーカクテル3種類、合計5種類のカクテル。「PB&D」は「ディサローノ」、ピーナッツバター、コーヒーを牛乳で淹れたミルクブリュー、そして炙ったマシュマロが添えてある。これは甘さに加えてコーヒーの苦味もアクセントとなるビターな一杯。「フラーゴラ・モヒート」は「ディサローノ」、イチゴ、ミント、ライム、ジャンジャーエールに自家製のビター。モヒートを思わせる爽やかなライムの香りに加えてイチゴと「ディサローノ」の上品な甘さ、軽めのアルコールで食前酒には最適だ。

disaronno_day03(写真)左から、「ディサローノ ベルベット ホワイト エスプレッソマティーニ」 「ディサローノ・フィズ」「フラーゴラ・モヒート」。

一方のシグネチャーカクテルはというと、「ディサローノ」は世界160ケ国以上で愛飲されているだけにカクテルレシピは100種類以上もあるのだが、その中から厳選した3種類が登場。「ディサローノ・フィズ」は最も愛されているレシピのひとつで「ディサローノ」、新鮮なレモンの汁と皮、ソーダでいただく。「ディサローノ」独特の杏仁の香りとレモンの相乗効果で、なんともいえない芳しいアロマが会場全体を優しく包み込んだ。昨年11月に発売された新作「ディサローノ ベルベット」は「ディサローノ」にバニラやフレッシュクリームなどを加えたクリーム・リキュールは、まずは氷を浮かべただけの「オン・ザ・ロックス」で味わう。ホワイトチョコレートのような味わいに杏仁の香り、冷たい氷がきりりとあ甘みを引き締めてくれ、デザート代わりに食後酒として味わうのも良さそう。「ディサローノ ベルベット ホワイト エスプレッソマティーニ」は「ディサローノ ベルベット」、エスプレッソ、ウォッカをシェイクしたウォッカ・マティーニ。コーヒーミルクのような甘みとシャープなウォッカは高相性だった。

最後に「ディサローノ」をかたどったケーキカットを担当した豊田エリーさんはこんなコメントを残してくれた。「イタリアのライフスタイルのシンボルである『ディサローノ』のコンセプトはイタリア語で自由な人生を意味する『ドルチェヴィータ』。「ディサローノ」でありのままの自分になれる、そんな時間を大切にしてほしいですね」「ディサローノ」と過ごすイタリア式アペリティーヴォにはますます注目が集まりそうだ。

■Disaronno(ディサローノ)
https://whisk-e.co.jp/product_types/disaronno/

Photo&Text Masakatsu Ikeda

profile


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池田匡克 ジャーナリスト、イタリア料理愛好家

1967年東京生まれ。1998年よりイタリア、フィレンツェ在住。イタリア国立ジャーナリスト協会会員。イタリア料理文化に造詣が深く、イタリア語を駆使してシェフ・インタビュー、料理撮影、執筆活動を行う。著書に『伝説のイタリアン、ガルガのクチーナ・エスプレッサ』『シチリア美食の王国へ』『イタリアの老舗料理店』『世界一のレストラン オステリア・フランチェスカーナ』など多数。2014年イタリアで行われた国際料理コンテスト「ジロトンノ」「クスクス・フェスタ」などに唯一の日本人審査員として参加。2017年イタリア料理文化の普及に貢献したジャーナリストに贈られる「レポーター・デル・グスト」受賞。WebマガジンSAPORITA主宰。
イタリアを味わうWebマガジン「サポリタ」
http://saporitaweb.com//
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