いつ訪れてもエネルギッシュなパワーに満ちている香港。ストリートフードからファインダイニングまで活気あるグルメ、賑やかなストリートマーケットに巨大なショッピングモール、華やかで多彩な観光スポット、そしてスカイラインを一望するきらびやかな夜景。アジアと欧米文化が入り混じったユニークな文化を土壌にして、常に私たちを魅了してやまないこのディスティネーションが、今世界中から最新のアートとカルチャーの発信地、アートハブとして注目されていることをご存じだろうか。

verita編集部では、香港の西九龍地区に昨年と今年立て続けに誕生した最新の2大アート拠点、アジア初の現代ヴィジュアル・カルチャーミュージアム「Ｍ＋（エムプラス）」と「香港故宮文化博物館」にフィーチャーしながら、新たなアートとカルチャーのハブとして開花する西九龍地区の魅力を3回にわたってお届けする。 香港・西九龍地区のアート最前線を知って、フレッシュで刺激に満ちた新しい香港アート＆カルチャーを発見して。

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新たなアートハブ、西九龍（ウエストカオルーン）文化地区が熱い！

香港アートといえば、アジア屈指のアートフェア「アート・バーゼル香港」を思い浮かべる人も多いだろう。コロナ禍の間は休止されていたが、ようやく2022年5月25日～29日の間に再開となり、28の国と地域から130ギャラリーが参加した。今回、オンラインとリアルを併用したハイブリッド形式で催され、現地の人々を中心に多くの来場者で賑わった。直接会場に足を運べない場合も、オンライン・ビューイング・ルームや動画のライブ配信、バーチャルツアーが利用でき、世界中のアートファンにその盛況ぶりが伝えられた。今後も「アート・バーゼル香港」のような国際的な香港アートシーンに期待が高まるのはもちろんだが、今世界中から注目を集めている香港のアート熱は、トップアートからローカルなストリートアートまで香港の街全体で展開する、より大きなストーリーをはらんだビッグウェーブといえるのだ。
Art Basel Hong Kong 2022 © Art Basel

その中心地となるのが、九龍半島の先端にある西九龍地区（ウェストカオルーン）だ。西九龍地区は、油麻地（Yau Ma Tei/ヤウマテイ）や佐敦（Jordan/ジョーダン）など、1800年代に建てられた建築物をはじめ、もともと多くのローカルカルチャーと歴史が刻まれてきた香港の中でも最も古いエリアだ。

そこに隣接するビクトリア・ハーバーのウォーターフロントにできた新たな文化開発エリア「西九龍文化地区（West Kowloon Cultural District）」 では、直近の「Ｍ＋」「香港故宮文化博物館」の2大施設の開館以前から、2019年に開業した舞台芸術劇場「戯曲センター（Xiqu Centre）」を皮切りに、「コンペティションパビリオン」、「西九龍芸術公園（The Art Park）」、現代舞台芸術施設「Freespace」など、さまざまな角度からアートやカルチャーを体感できるスポットが続々と生まれ、一大アート＆カルチャーの発信地となった。大規模な美術館や博物館だけでなく、街中もフォトジェニックなアートやカルチャーのインスピレーションに満ちていて、街を歩くだけでも好奇心が刺激されるはずだ。コロナ禍で海外渡航が制限されていた間に、着々と進化し続けている香港・西九龍は、今最もエネルギッシュで魅力的だ！

（写真左）街中のストリートアート。ローカルアートを広める草の根運動の一つとして非営利団体HKWALLS主催のストリートアートフェスティバルも開催されている。


＞＞02 ビクトリア・ハーバーの新ランドマーク「M＋」


　Arts in Hong Kong 香港 アートで巡る西九龍 特集　
01 アートとカルチャーのハブ！西九龍の街歩き
02 ビクトリア・ハーバーの新ランドマーク「M＋」
03グローバルなアート発信拠点へ 香港故宮文化博物館