軽井沢駅南口のロータリーには、近隣のさまざまなホテルの送迎車が時間を置かずに往来する。「ルグラン」の送迎車も何度か目にしていて、そのホテルの存在は認識していたが、それがどんなホテルで、どこにあるかまでは知らなかった。気になってホテル予約サイトのクチコミをチェックしてみると、なかなか評判がいい。

そもそも軽井沢エリアには、「ルグラン」のブランド名を冠したホテルが2つ(「ルグラン軽井沢ホテル&リゾート」「ルグラン旧軽井沢」)があるようだ。いったいどんなホテルなのか。今回、その2つの「ルグラン」をめぐる2泊3日の軽井沢旅行に出かけた。

南軽井沢、7万坪のリゾートで自然と戯れる「ルグラン軽井沢ホテル&リゾート」sen
最初に向かったのは「ルグラン軽井沢ホテル&リゾート」だ。軽井沢駅から送迎バスで約15分。浅間山の懐──自然が多く残る南軽井沢の、なだらかな山腹に、2018年7月に誕生したホテルである。メイン棟となる木造建築の洋館が、クラシカルな雰囲気をたたえているのだが、2018年にゼロから新築されたものだという。あえてレトロ感を創出しているのだ。

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建物のエントランスに入ると、そこにも、しっとりとした時間が流れていた。バーには暖炉があり、リゾートムードを盛り上げる。大きな窓から浅間山を望むバーも併設されていた。シャンデリアをはじめとする照明器具や家具、カーペットなどは、海外で買い付けたアンティークが多用されている。

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敷地は約7万坪と広大だ。そのなかに、ホテル本棟やバンケット棟、ウエディングなどで使われる3つの教会、料飲施設などが配されている。客室は全58室。最低でも48.2㎡と、ゆったりとした広さを持つ。ホテル本棟に45の客室があり、ほかに一棟独立型の「ヴィラスイート」が3室。カートを乗ってアクセスする、標高約1000mの高台には「山の上スイート」がある。こちらは浅間山を正面にのぞむ絶景ポイントで、このエリアにも10室の客室がある。何度も足を運んで知り尽くしたと思っていた軽井沢が、これほど自然豊かな場所であったことに、多くの人は驚くのではないだろうか。軽井沢にこんな場所があったのか、と。

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部屋にこもっていてもこのホテルの持つ利点を存分に体感できる施設だが、パブリックスペースも充実している。軽井沢では非常にレアなことなのだが、敷地内には、天然温泉にもひかれているのだ。館内には天然温泉を使用した大浴場「こもれび」のほか、日帰り天然温泉「八風温泉」も併設。源泉はどちらも三大美人泉質と呼ばれる炭酸水素塩泉で、宿泊のゲストは無料で利用できる。天気の良い日には満天の星を眺めながらの湯あみも可能だ。本館の建物を見下ろすようなプールもすばらしい(夏季限定)。ヨーロッパの山岳リゾートのような、リゾート感溢れる屋外プールで、ヨーロッパ調の木造建築で造られた本館がプールを囲み、その先には浅間山がそびえる。

ホテル内のレストランは3つ。本館のメインダイニング「Vaas(ヴァース)」では、ミシュラン星付きの店で腕を振るってきたシェフによる、信州食材を惜しみなく使った、独創性あふれる、それでいてクラシックな、フランス料理がいただける。長野県のワインも充実しているので、ソムリエに相談してみるといい。

なお、同ホテルでは、1年を通して、自然をいかした、宿泊者限定のイベントを実施している。夏場はホテル敷地内にて蛍観賞イベント『蛍舞うホテル』を実施。12月は「森音の教会」でのキャンドルナイト、1~3月はテラスでの星空観賞会といった具合だ。いずれも長く記憶に残る体験となるだろう。

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軽井沢の自然に抱かれながら、居心地のいいお気に入りの場所にこもる──。かつて軽井沢を愛した文化人が過ごしたかのように時を刻むことができる「ルグラン軽井沢ホテル&リゾート」、次の軽井沢旅行の選択肢に加えてみては?

旧軽井沢に佇むクラシカルホテルへエスケープ「ルグラン旧軽井沢」sen
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「ルグラン軽井沢ホテル&リゾート」に先立って、2016年にオープンしたのが、「ルグラン旧軽井沢」だ。軽井沢のメインストリート(軽井沢本通り)にあり、とにかく抜群の立地!軽井沢駅(北口)からは徒歩15分くらいだろうか。もちろん軽井沢銀座までも徒歩圏内、観光の拠点として、この上ないシチュエーションだ。

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こちらも新築で建てられた施設でありながら、クラシカルなデザインにこだわっていて、すっかり周囲の環境に溶け込んでいる。「ルグラン軽井沢ホテル&リゾート」同様、シャンデリアや家具は、イタリアをはじめヨーロッパで買い付けてきたもの。おしゃれな門扉もイタリア製だ。

客室は「スーペリア」、「プレミア」、「デラックス」、「エグゼクティブ」等の9タイプ43室。いずれもゆったりとした広さがあり、至便な立地でありながら、バルコニーのある客室もあったりと、しっかりとリゾート時間も満喫できる。また、マットレスは、全室シモンズ社に特注した最高級レベルのものを用意している。

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最上階(3階)には、床に大理石を敷き詰めた、ゴージャスな大浴場も併設している。温泉ではないが、豊かなグリーンに囲まれた、露天風呂も心地よく、心身ともにリフレッシュできるはず。星空が間近に迫る夜もロマンチックだ。

軽井沢の雄大な自然に魅せられる「ルグラン軽井沢ホテル&リゾート」、そして、旧軽井沢の街を自由に闊歩できる「ルグラン旧軽井沢」。クラシカルな2つの宿をはしごして、伝統の避暑地「軽井沢」を、自分自身のスタイルで満喫してたい。

text by Aya Hasegawa

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ルグラン軽井沢ホテル&リゾート

所在地:長野県北佐久郡軽井沢町発地864-4
Tel:0267-48-0099
軽井沢駅・アウトレット・旧軽銀座より車で約15分(駅より無料送迎バス有/予約不要) 碓氷軽井沢ICより車で約15分
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ルグラン旧軽井沢

所在地:長野県北佐久郡軽井沢町大字長倉字屋敷添18-39
Tel:0267-41-2030
軽井沢駅徒歩15分。上信越自動車道碓氷軽井沢ICより車で約25分、小諸ICより車で約40分。