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Photo by Reiko Masutani

長かったコロナ禍も終わり、久しぶりに海外への門戸が開かれた感があるが、今度はインフレに円安というハードルが立ちはだかって、どの国を訪れても「高い」と思ってしまう。そんな2023年の晩秋、初めてポーランドを訪れた。今選ぶなら比較的旅がしやすいと感じるディスティネーションのひとつだ。

ヨーロッパの真ん中に位置する東欧の国、ポーランド。街並みは美しく、食事も美味しい。そして、治安も良い。何よりヨーロッパでありながら物価が“それほど”高くない──、というより、ヨーロッパの中では群を抜いて安い。物価の安さ、治安の良さのほかにも、同国を旅のデスティネーションとして推せる理由はたくさんある。Vol.1では、首都ワルシャワから。ショパンの音楽、そして鼓動が感じられる街を巡る。

ショパンの音楽、そして鼓動が感じられる街・ワルシャワ

クラシックに興味がない人でも、フレデリック・ショパン(1810-1849)の名前は知っているはずだ。ポーランドが生んだ、希代の音楽家である。ポーランドの空の玄関口であるワルシャワの空港が「ショパン・フレデリック・ワルシャワ空港」であることからもわかるように、ショパンはポーランド人にとって特別な存在だ。
artsinhk2-8 artsinhk2-9ワルシャワ市内に点在するショパンポイントと呼ばれるピアノコンサート

観光客に気軽にショパンの音楽を楽しんでほしいということで、ワルシャワでは、「ショパンポイント」と呼ばれる1時間ほどのピアノコンサート開催されている。コンサートが行われている場所は市内に複数あり、毎日、どこかの会場では開催されているはずだ。料金は会場や席によっても異なるが、60ズロチ(約1800円)ほどみておけば楽しめる。

FD_02(写真)ワジェンキ公園
市民の憩いの場、ワジェンキ公園

5月から9月にかけては、毎週日曜日、市民の憩いの場であるワジェンキ公園で、ショパンの楽曲を演奏する無料コンサートが開催される。芝生の上に座って楽しめ、地元の人も心待ちにしているワルシャワの夏の風物詩だ。今度は色とりどりの花が咲き誇るというその時期に再訪してみたい。

INFO: Lazienki Park(ワジェンキ公園)
住所/ul Agrykola 1


Frederik Chopin Museum フレデリック・ショパン博物館

artsinhk2-8(写真)ショパンの生家

ショパンゆかりのスポットはほかにもある。「フレデリック・ショパン博物館」には、ショパンが最後に弾いたピアノ、手紙、楽譜の写しなどが保管されている。また、ワルシャワ市内から55キロほど離れた場所にある、ショパンの生家も公開されている。建物は再建されたものだが、内装はもちろん家具もショパンが暮らした当時のものを復元。美しく整備された庭園も心地よい。artsinhk2-6(写真)ショパンの生前の暮らしを復元した生家

information


Frederik Chopin Museum(フレデリック・ショパン博物館)
住所/ul Okolnik 1 Warsaw

Birth Home of Fryderyk Chopin(ショパンの生家)
住所/Zelazowa Wola 15, 96-503 Sochaczew


ワルシャワ最大の教会 Church of the Holy Cross 聖十字架教会
artsinhk2-6(写真)ワルシャワ最大の教会である聖十字架教会

ワルシャワ最大の教会である「聖十字架教会」には、ショパンの心臓が安置されている。ワルシャワ郊外で生まれ、ワルシャワで暮らしたショパンだが、20歳でワルシャワを離れると愛する祖国への帰国は二度とかなわなかった。1849年に、パリで39年の生涯を終えるが、姉のルドヴィカが本人の遺言に従い、その心臓を祖国に持ち帰ったという。

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Church of the Holy Cross(聖十字架教会)
住所/ul Krakowskie Przedmieście 3 Warsaw

Text by Aya Hasegawa, Photo by Reiko Masutani

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 Polska 2024 東欧の国、ポーランド旅行のすすめ 
Vol.1 ショパンの音楽、そして鼓動が感じられる街・ワルシャワ
Vol.2 ポーランドの伝統料理と現代料理
Vo.3 世界遺産、中世の街並みを残す古都トルン