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日本各地の豊かな自然やその土地固有の多様な文化や伝統に触れれば、大人の知的好奇心を満たす旅があなたを待っている。2024年におすすめしたい日本旅は、都心では体験できない "特別で忘れられない極上時間" を楽しめる場所。そんなサイトスペシフィックなディスティネーションを厳選してお届けする。

札幌から北海道中央にある大雪山に向かい、北海道横断自動車道を走ること2時間あまり。トマムICで降りる直前、左手に周囲の景観に溶け込んだ高層ビル郡が見えてくる。今回の旅の目的地「星野リゾート トマム」だ。約1000haにもおよぶ広大な自然に囲まれた滞在型リゾートで「リゾナーレトマム」「トマム ザ・タワー」という2つの滞在施設があり、夏には絶景を眺められる標高1088mにある「雲海テラス」や冬にはスキー場はじめ幻想的な氷の街「アイスヴィレッジ」や霧氷を鑑賞できる「霧氷テラス」など、季節ごとに雄大な大自然を体感できるのが最大の特徴だ。またカフェ&レストランも多く、屋外でのアクティビティも多いので家族連れでもカップルでも、目的に合わせたぴったりの滞在を選ぶことができる。
fukui_01ph01(写真)「リゾナーレトマム」は全200室が100平米以上で、ジェットバス、サウナ付きオールスイートルーム。

トマムのランドマークとなっているのが「トマム ザ・タワー」で、夏と冬の森をイメージした2棟の高層棟からなる。全535室の客室は「スタンダードルーム」や「ファミリールーム」などさまざまなタイプがあり、特に小さい子供がいる家族連れには人気。子供もゆったりと過ごせるパブリックスペース「ラウンジ ユックユック」や「キッズスペース」もある。一方「リゾナーレトマム」は「北海道の大自然を感じるグレイスフルステイ」をコンセプトにした全200室が100平米以上で、ジェットバス、サウナ付きオールスイートルームのホテルだ。「星野リゾート トマム」では滞在に合わせてホテルやレストラン、アクティビティを選ぶオリジナルの滞在が可能なのだ。

牧場の美しい風景と美味しいが旅をもっと楽しくする。「ファーム星野」sen

「星野リゾート トマム」が取り組んでいる重要なプロジェクトが「ファーム星野」だ。これは「農業から生まれる美しい景観は、旅をする人に癒しを与え、そこで生産される農作物は旅を豊かにする」という理念のもとに活動しており、ホルスタインやブラウンスイス、ジャージーあわせて30頭余りを飼育している。この場所は元々700頭の牛が暮らす農場だったがゴルフ場開発のために激減。かつての美しい牧場の姿を取り戻そうと始まったプロジェクトなのだ。
fukui_01ph01(写真)左/「モーモー学校」では牛を間近に観ながらフレッシュミルクの試飲ができる。右/「ファーム星野」で牛の飼育や「モーモー学校」を担当する宮武宏臣さん。

毎日搾乳される新鮮な牛乳は隣接するファームカフェ「ファームデザインズ」でフレッシュミルクとしても飲めるし、乳製(ホエー)を使ったオリジナルドリンクも提供している。またモッツアレラやリコッタなどのフレッシュチーズは「TOMAMU Wine House」やイタリア料理「OTTO SETTE TOMAMU(オットセッテ トマム)」で味わうことができる。またユニークなファーム体験プログラム「モーモー学校」では、牛の個体別牛乳を飲み比べながらなぜ味が違うのか?といった牛の生態を学ぶことができ、家族連れに大人気だ。

北海道の自然派ワインを飲み比べ! 「TOMAMU Wine House」sen
fukui_01ph01(写真)カフェ&レストランが集まる「ホタルストリート」。

「リゾナーレトマム」と「トマム ザ・タワー」の中間に広がる「ホタルストリート」にはカジュアルなカフェ&レストランを中心に9店舗が営業しているが「TOMAMU Wine House」には是非立ち寄ってほしい。ここでは近年注目が集まる北海道の自然派ワインが色々と試飲できるのだ。
fukui_01ph01(写真)左/北海道の自然派ワインとチーズをあれこれ試せる。右/新鮮な牛乳から作るフレッシュチーズは現地で味わいたい。

日替わりで試飲できるのは16種類のワインで、ソムリエの資格を持つ古屋魁星さんが勧めるのは「10R(トアール)ワイナリー」「モンガク谷ワイナリー」「さっぽろ藤野ワイナリー」などなかなか手に入らない注目ワイナリーばかり。グラスで30mlから飲めるので、あれこれ試飲することが可能だ。ワインの販売はしていないが宿泊者ならば200ml入りのカラフェや抜栓したボトルワインを部屋まで持ち帰ることができるので、夕食前に自室で北海道のワインのアペリティフ・タイムも楽しめる。また、ワインにあうようにと北海道のチーズもそろえており「ファーム星野」作りたてのモッツアレラも食べることができる。その新鮮さもまた特筆もので、美味しい北海道のワインとチーズのマリアージュを是非体験したい。

季節に合わせた美食を堪能、イタリア料理「OTTO SETTE TOMAMU」senfukui_01ph01(写真)左/「海の煌 イクラと牡丹海老のコルノ」は新鮮なイクラや牡丹海老をコルノの乗せてたべる。右/食前酒はイタリアのスパークリングワイン、フランチャコルタで。

「星野リゾート トマム」には「リゾナーレトマム」や「トマム ザ・タワー」「ホタルストリート」など施設内には全部で20店舗以上のレストラン&カフェがあり、選ぶのに迷ってしまうほどだ。中でもおすすめしたいのが「リゾナーレトマム」サウス31階にあるイタリア料理「OTTO SETTE TOMAMU(オットセッテ トマム)」だ。ここは何より31階という高層階からの眺めが実に素晴らしい。「星野リゾート トマム」の広大な敷地が一望の元に見渡せ、夕暮れ時にテーブルにつけばまたとない絶景を堪能しながらディナーが楽しめる。

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(写真)左上/毛蟹がふんだんに味わえる「夏風に乗せて 泡で包んだ蟹とフィノッキオの爽やかな香り」右上/冷たいパスタとウニがよくあう「涼風 ウニとナスの冷製カッペリーニ」左下/蕎麦粉を使った珍しいパスタ「恵み ピッツォッケリ 鹿肉のモルタデッラ カーボロネロ」右下/油坊主のスープ「夕凪の木漏れ日 香草に隠れた白身魚のヴァポーレ」。

北海道の旬の食材をふんだんに使用したハイエンドなイタリア料理は、季節に合わせた美食のカレンダー「カレンダリオ・ガストロノーミコ」がコンセプト。いつ訪れても北海道の美味が楽しめることは間違いないが、最初に登場する美しいフィンガーフード「海の煌 イクラと牡丹海老のコルノ」や、毛蟹を昆布風味の泡で閉じ込めた「夏風に乗せて 泡で包んだ蟹とフィノッキオの爽やかな香り」は、美しさはもちろんのこと、その味わいも長く記憶に残るはずだ。ペアリングでは貴重な北海道のワインも登場するので、これも楽しみ。

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(写真)上/北海道らしいメイン料理は「大地の馨 仔羊の藁包み焼き」左下/「虹色 トマム牛乳のジェラート」右下/北海道のメロンのデザートは「爽夏 メロンのメリンガータ」。

今回泊まったのはオールスイートルームの「リゾナーレトマム」にある広さ100平米の「スイートツインルーム」。部屋の中央にはサウナを備えたジェットバスがあり、バスタブにつかりながらトマムの眺望が楽しめる。リビングには大きなソファセットと、窓際には景色を眺めながらのティータイムやアペリティフにぴったりの2人用バーテーブルがあり、ツインベッドルームからも北海道の雄大な風景が望める。美食を堪能したあと、北海道の朝日とともに迎えた翌日の朝の爽快さは忘れ難い。

information


fukui_01info星野リゾート リゾナーレトマム

所在地:北海道勇払郡占冠村中トマム
Tel:0167-58-1111(代表電話)
客室数:200室
アクセス:車/新千歳空港から約100分、 トマムICより7分、電車/新千歳空港より約90分、JRトマム駅より無料送迎バスで10分
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