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京都・河原町のトータルライフスタイル複合型商業施設「GOOD NATURE STATION」(前回の記事はこちら)の4F~9Fにある「GOOD NATURE HOTEL KYOTO」は、健康的でいいものを、自分らしく自然体で取り入れる、それが循環型社会のSDGsにもつながる、そんな"GOOD NATURE”をコンセプトにしたサステイナブルなホテルだ。

「GOOD NATURE STATION」は複合商業施設としては関西発のLEED認証(環境に配慮したグリーンビルディングを評価する認証システム)を、「GOOD NATURE HOTEL」はホテルとしてはなんと世界初のWELL認証v1(環境や健康に配慮した建物が認定される認証システム)を取得している。滞在中は、客室、食事、ヨガや有機農家の収穫体験などのアクティビティのほか、館内でのショッピングなど、五感で"GOOD NATURE”が体感できるさまざまなコンテンツに触れることができる。

京都・河原町発!人にも、自然にも、いいものを。sen

4Fロビーに到着するとまず目の前に広がるのが、吹き抜けの中の植生を再現した大緑化壁だ。京都のど真ん中にある繁華街であることを忘れてしまうような、緑と自然にあふれた清々しい空間。気分をリフレッシュさせてくれるだけでなく、空気を清潔に保つ換気の効果などにも配慮された設計だ。

野菜・ハーブ・漢方…自然由来の食の恵みを最大限に。

この吹き抜けの中庭を囲むようにしたレストランが、ヴィーガン・ベジタリアンフレンドリー対応のカジュアルレストラン「Hyssop(ヒソップ)」だ。fukui_01ph01(写真)4Fのカジュアルレストラン「Hyssop(ヒソップ)」。

2024年6月15日にブラッシュアップオープンとなり、植栽などのインテリアやメニューを一新したばかり。「信じられるものだけを、美味しく、楽しく。人も地球も元気にする“GOOD NATURE”なモノ・コトが集まる場所」を体現できるレストランとして野菜を中心としたメニューが揃う。どのカテゴリーにも、1~3種はヴィーガン対応メニューを用意し、ヴィーガンもそうでない人も同じテーブルを囲んで食事を楽しめる。京都の有機農家を中心に仕入れた野菜たちはとびきり美味しく、野菜だけで心も体も満足するご馳走だ。つい食べ過ぎてしまっても、翌朝は体が軽く感じられるほど。良質なものを体に取り込むことで、体調も気分もこれほど違うのかと実感できた。お酒のラインナップも充実。フルーツや植物を使ったオリジナルのハーブカクテルはどれも個性的。疲労回復効果や美肌効果があるものなどもおすすめだ。 fukui_01ph01(写真)「夏野菜のタブレサラダ」1,800円
fukui_01ph01(写真)「ブッタボウル」2,400円


快適な滞在と環境的配慮を両立した客室
fukui_01ph01(写真)ボタニカルルーム

客室にもこのホテルならではの環境的配慮のエッセンスが散りばめられている。天然素材を採用した心地よいインテリア、オリジナルのオーガニックコスメNEMOHAMOのコスメアイテム、エシカルなタオルブランドIKEUCHI ORGANICのオーガニックコットン100%タオル。上質なアイテムに触れることの贅沢が揃う一方で、歯ブラシやペットボトルなど持参すれば必要のないアメニティなどはない。もし歯ブラシを忘れてしまった場合は、フロントで竹歯ブラシが販売されている。有料だが、その費用は循環型農業パートナーへの支援などに使われる。心地よい滞在を叶えているのはそれだけではない。快適な眠りと目覚めのために独自開発された快眠照明システムが全室に導入されていて、就寝前・起床直前の照明の明るさが自動で調整されるシステムだ。生理的にもリラックスできるし、無駄な照明の節約にもなる。まさしく人にも環境にも良いことを体感できるはず。

施設内で生ゴミを農業堆肥に変える「お米の循環プロジェクト」

fukui_01ph01(写真)左/「ERUTAN」(1F) では朝食ビュッフェで循環したお米が食べられる。 右/バックヤードには、レストランで出た生ゴミを堆肥に変えるコンポストがある。

細部だけでなく、全館を通した循環型社会へのプロジェクトもある。施設内には1F・4Fのカジュアルダイニングと、ミシュラン星付きレストランをはじめとするハイエンドな食体験を楽しむプレミアムガストロノミーフロア(2F)があるが、各レストランで出た食べ残しや生ゴミは、バックヤードのコンポストで堆肥に変え、滋賀県の減農薬農家「近江園田ふぁーむ」でお米を育ててもらっている。そのお米は施設内「ERUTAN」(1F)の朝食ビュッフェや1F「MARKET」で販売されるのだ。2022年はこの「お米の循環プロジェクト」の生ゴミ処理量は29.7t。農業用肥料に生まれ変わらせて育てたお米を毎年秋に収穫している。何気なく朝食で美味しくいただいたお米が、こんな仕組みで生産されていたと思うと嬉しい気持ちになる。

フェアトレードへのこだわり。「コスタリカのカカオ豆」プロジェクト
fukui_01ph01(写真)シェフパティシエ松下裕介・シェフショコラティエール高木幸世が作り出す「RAU」のスイーツは、食材に込められた生産者の方の思いを込めた。

もう一つのプロジェクトに「コスタリカのカカオ豆」プロジェクトがある。カカオは発展途上国の児童労働の問題など生産体制が課題となっているが、3Fにある「情景を、形状に。」をコンセプトにしたパティスリー「RAU」のシェフショコラティエールが自らコスタリカに渡り、生産者や研究者と直接やりとりをして、農薬不使用の生産環境と品質に感銘を受けて採用を決めたカカオ豆のみを使用している。フェアトレードにこだわり、マーケットに左右されない正当な価格でカカオ豆を購入することにより、生産者の安定した収入源になるよう徹底している。生菓子のデセールは、芸術的なまでの美しさ。1Fのショップでテイクアウトも可能だ。

"発酵"をテーマにしたローカル食材×ハンバーガー
fukui_01ph01(写真)「醤熟成グラスフェッドビーフ・GOODバーガー」店内飲食 1,200円、テイクアウト 1,178円。「大地の丸ごとスープ」付き「サラダバー」セット価格 店内飲食 770円、テイクアウト 756円。

1Fのキッチンエリア「GOOD NATURE KITCHEN」では、"発酵"をテーマにしたハンバーガーを環境に配慮したカトラリーで提供している。通常は廃棄されてしまう京都・美山牛乳のホエイと国産全粒粉を加え、伏見区のベーカリーがオリジナルで作成したバンズに、地元の食材をふんだんに挟み込んだローカルバーガーは、美味しさとヘルシーさを兼ね備えていて女性にも人気。おすすめは「醤熟成グラスフェッドビーフ・GOODバーガー」。京都嵐山の「発酵食堂カモシカ」の醤と塩麹を使用し、素材の旨味を引き出した自家製パティは病みつきの美味しさだ。

信頼できるもの、良質なもの、社会に循環するもの、こうした裏付けがあって、さらに美味しく、嬉しく、楽しい、を感じさせてくれるものが集まった「GOOD NATURE HOTEL KYOTO」での滞在。館内には、コンダクターと呼ばれる専門のコンシェルジュがいて、ホテル周辺の観光案内やレストラン予約などに応えてくれるほか、最新情報や商品、サービス情報を紹介してくれたり、滞在しながら館内も楽しめるガイドの役目もしてくれる。コンダクターとともに館内を巡るツアー「GOOD NATURE WALK」も毎日開催されている。館内に散りばめられている「GOOD NATURE」にまつわるストーリーに興味のある方はぜひ利用してみてほしい。

information


GOOD NATURE HOTEL KYOTO

所在地:京都市下京区河原町通四条下ル2丁目稲荷町318-6 4F~9F
アクセス:京都河原町駅下車、5番出口より徒歩2分
客室数 141室