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忙しい現代人にとって、休日は都会を離れ、自然に浸りながら心身をリフレッシュする絶好の機会だ。遠出は面倒でも、都心からドライブ感覚で行ける自然豊かな隠れ家で、誰にも邪魔されずに過ごすひとときは格別。今回は、そんなチルアウトに理想的な一軒をご紹介したい。

古くから天皇家の隠れ里、忍者の里として語り継がれる神秘の秘境。

場所は、東京都で唯一の村、多摩地域西部に位置する檜原村だ。村の約9割を森が覆い、山中では電線一本すら視界に入らない雄大なパノラマが広がる。道端では野鳥や鹿、猿といった野生動物に出会うことも珍しくなく、まるで別世界に迷い込んだような感覚を味わえる。
この村には、古くから「天皇家の隠れ里」や「忍者の里」として語り継がれる歴史がある。かつては天皇家の隠れ里だったという説が残され、戦国時代には北条氏と武田氏の情報収集の要衝として、風魔や三つ者と呼ばれる忍びたちが暗躍したとされる。さらに、村周辺には天然記念物の神戸岩や、日本の滝百選に選ばれた払沢の滝といったパワースポットが点在しており、どこを切り取っても秘境ならではの魅力にあふれている。

東京も秘境で完全プライベートな隠れ家を発見!

そんな檜原村の中でも「東京のマチュピチュ」と呼ばれる湯久保エリアに、2024年夏にオープンしたばかりの一軒が「THEATER1(シアターワン)」だ。四方を山に囲まれた5000坪の敷地にたった1棟だけ佇むこの施設は、1日1組限定の完全プライベート空間。コテージタイプのプライベートシアタールームを中心に、BBQが楽しめるアウトドアリビングやグランピングテントが併設されていて、テントサウナやフィンランド製の薪風呂で自然と一体化しながら究極にリラックス。束の間の休日に、非日常感を存分に楽しむことができる。 fukui_01ph01(写真)シアターワンの看板から続く階段を下りてコテージへ。

都心から車を走らせること約90分。細い山道を登っていくと、ぽつんと現れる「シアターワン」の看板。その先に待つのは、標高600mの山の中腹にたたずむ秘密基地のような空間だ。浅間尾根を眺めながら階段を下るたびに、胸が高鳴ってワクワク感が増していく。なんといっても、見渡す限り広がるこの5000坪の土地を独り占めできる贅沢さはこの上ない。滞在中は谷を背にしたホテルの上方、約2分の場所にサービススタッフが24時間常駐しているため、部屋からLINEで気軽にサポートをお願いできる。


秘境の中のプライベートシネマで趣味に浸る。sen

その名の通り、「映画館よりも贅沢な映画視聴体験」をコンセプトにした「シアターワン」の客室には、100インチの大画面スクリーンと7.1chの本格オーディオ設備が備わっている。YouTubeやNetflix、Prime Videoといった好きなコンテンツを、Dolby Atmos対応のクリアで迫力あるサウンドで楽しめる。
この空間は、音楽関係の仕事に携わっていた以前のオーナーが自らの趣味を追求して設計したもので、細部までこだわり抜かれている。高速ネット環境も整い、都会の快適さをそのまま備えている点も魅力だ。窓の外には手つかずの自然が広がり、室内のハイテク空間とのコントラストが、特別感を一層引き立てている。
fukui_01ph01(写真)山奥でも最新テクノロジーによって快適なデジタルエンターテイメントを体感できる。

部屋のインテリアも心地よくハイセンスだ。テンピュール社製の電動リクライニングベッドは無重力のような寝心地、北欧デンマーク発の薪ストーブ「HWAM」がクラシカルかつモダンな山籠もりムードを演出している。 fukui_01ph01fukui_01ph01(写真)上/テンピュール製の電動リクライニングベット 下左/客室の冷蔵庫には、東京の地酒、地ワイン、クラフトビールが揃う。 下右/北欧デンマーク発の薪ストーブブランド「HWAM(ワム)」の薪ストーブ。

グランピングで気になる水回りも快適だ。蛇口をひねれば、集落に湧き続ける名水「御前様の湧き水」がそのまま使える。この湧き水で、あきる野市の「珈琲地球屋」から取り寄せた新鮮なコーヒー豆を挽いて淹れる一杯は、まさに至福の味わい。さらに、「ヴァンヤード多摩」のワインや「野崎酒造」の日本酒、「VERTERE」のクラフトビールなど、東京産のドリンクが揃っているのもユニークだ。 fukui_01ph01(写真)外からの明るい光と清々しい空気を取り込めるバス。厳選されたオーガニック&ナチュラル成分を贅沢に使用した「ジョンマスターオーガニック」のバスアメニティ。

圧倒的なロケーションで完全プライベートなグランピング体験を。sen

「シアターワン」の圧倒的なロケーションを満喫すべく、グランピングもぜひ楽しんで欲しい。テントサウナ、露天薪風呂、地元の食材を使ったBBQ、そして離れのグランピングテントなど手ぶらでOKの充実ぶりだ。

五感を呼び覚ますチルなグランピング体験。

特におすすめはフィンランド製の薪風呂。集落の名水を薪で焚くこの風呂は、遠赤外線効果で体の芯から温まり、湯冷めしにくい。ワイン片手に星空を眺めながらの露天薪風呂は、都会では到底できない体験。ちなみに薪風呂の準備には約2時間かかるため、到着後すぐにスタッフに点火をお願いするのがおすすめ。一度温まった湯は冷めにくいので、火加減を調整してベストな温度でゆっくり楽しみたい。 fukui_01ph01fukui_01ph01(写真)テラスからの開放的な風景を独り占めしながら、薪露天風呂やテントサウナなどで極上の"ととのう"体験。

東京を知って、東京を味わう。

BBQディナー付きプランを選べば、東京多摩地域の地産食材を使った自然の恵み満載の特製BBQコースが堪能できる。メインのステーキは、東京都唯一のブランド和牛「秋川牛」。あきる野市の竹内牧場で、自然豊かな環境と清らかな湧き水で育てられたこの牛は、柔らかくさっぱりとした肉質が特徴で、塩コショウだけでも絶品だが、檜原村で採れた本生山葵との相性が絶妙だ。好きな食材を持ち込む場合も、BBQに必要な機材やカトラリー、調味料が無料で貸し出されるので、準備や片付けの心配なく楽しめる。

fukui_01ph01fukui_01ph01(写真)上/「秋川牛」のステーキ 下/朝のモーニングボックス

朝食は「BOX breakfast」と「サンドイッチモーニング」の2つがあるので好みに合わせてチョイスを。「BOX breakfast」は、温かいスープに焼き立てのパン、キッシュ、新鮮なサラダに加え、檜原村特産の柚子ジャムを添えたヨーグルトなど、彩り豊かな朝の味覚を木製のボックスに詰めて届けられる。「サンドイッチモーニング」は渋谷区代々木の人気カフェ「DIMLIGHT ESPRESSO」とのコラボレーションで実現し、同店監修のサンドイッチを特等席のテラスで楽しみたい。どちらも、爽やかな朝の空気を存分に味わえる朝食だ。

檜原村は四季折々の表情が豊かだ。春は新緑とヤマブキ、夏は秋川の清流で川遊び、秋は紅葉が美しく、冬には滝が凍り幻想的な氷瀑が現れる。いつ訪れても自然の魅力に触れられる。遠くへ行かずとも、身近な場所で心からリフレッシュできる──檜原村の「シアターワン」は、東京に居ながらにしてそんな貴重で贅沢な時間を提供してくれる唯一無二の隠れ家だ。

information


fukui_01ph01THEATER1(シアターワン)

所在地:東京都西多摩郡檜原村 ※以下非公開
Tel: 042-598-0303(11:00~19:00)
宿泊人数:4人
チェックイン 15:00~20:00
チェックアウト 11:00
アクセス:東京駅からお車でお越しの場合、約90分。電車でお越しの場合、約150分。
武蔵五日市駅より西東京バスをご利用下さい。(宝蔵寺バス停下車、シアター1より送迎あり)