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東京・竹芝のモダンラグジュアリーホテル「メズム東京、オートグラフ コレクション」では、2025年6月20日(金)から10月26日(日)まで、10月に新国立劇場で上演されるバレエ、アシュトン版『シンデレラ』の世界観をテーマにしたスペシャルランチ&ディナーを提供中。 新国立劇場とのコラボレーションは、2024年のオペラ『魔笛』に続き2回目となる。会場は、ホテル16階のフレンチダイニング「シェフズ・シアター」。かぼちゃの馬車や四季の妖精など、物語を象徴するモチーフを遊び心あふれる一皿に仕立て、繊細な味わいとともに表現している。舞台と美食、二つのアプローチでアシュトン版『シンデレラ』の世界観を堪能できる絶好の機会だ。

英国クラシックが紡ぐ、アシュトン版『シンデレラ』の魅力。sen
sub14新国立劇場バレエ団『シンデレラ』Photo by Hidemi Seto

「バレエのシェイクスピア」と称された名振付家フレデリック・アシュトンによる『シンデレラ』は、1948年のロイヤル・バレエ初演以来、英国バレエ界を代表する名作として愛され続けている。日本では新国立劇場バレエ団のみが上演権を持ち、2025年10月17日(金)から26日(日)まで、全12回の上演が予定されている。物語は誰もが知る“おとぎ話”だが、ディズニー版とは異なる、バレエならではの奥行きと芸術性が新鮮な感動を呼び起こす。例えば、意地悪な義姉たちを男性ダンサーが演じるというアシュトン流のユーモアあふれる演出、魔法が解ける瞬間の繊細な表現、そして巧みなマイムによる舞台構成。中でも最大の見どころは、物語の象徴ともいえる“かぼちゃの馬車”が登場する幻想的で絢爛なステージ演出。これこそ、生の舞台でしか味わえない醍醐味だ。なじみあるストーリーを、芸術作品としてのバレエで再発見することで、観る者に新たな気づきと豊かな鑑賞体験をもたらしてくれるだろう。

バレエ作品を“味わう”──物語を料理でたどる美食体験。sen
sub14アミューズ/テーマ:いざ舞踏会へ。鮎のコンソメスープ、鮎のリエット、鮎のクレープ。

今回のスペシャルランチ&ディナープログラムは、新国立劇場とメズム東京のクリエイティブチーム、そして総料理長・隈元香己氏による共同プロデュース。フランス料理の世界的コンクールで受賞歴を持つ隈元氏が手がける全10皿(ランチ5皿、ディナー5皿)は、バレエ『シンデレラ』の物語を章立てのように構成されている。ランチでは、灰かぶりの少女として生きるシンデレラの静かな序章から妖精たちの登場までを、ディナーでは、舞踏会へ向かう馬車の道や王子との出会いなど、物語のクライマックスをドラマチックに描く。各コースに共通する料理はなく、2つのコースを通して『シンデレラ』の物語全体が美しく完結する。まさに、味覚を通して舞台を追体験する美食のストーリーテリングだ。

編集部が体験したディナープログラムから、印象的な一皿をご紹介しよう。幕開けとなるアミューズ「いざ、舞踏会へ」は、自家製コンソメに香ばしく焼いた鮎の骨を加えて4日間じっくりと煮出して香りを移した「鮎のコンソメスープ」から始まる。かぼちゃの車輪に見立てた「鮎のリエット」や、鮎の半身をそば粉のガレットで包んだ「鮎のクレープ」も添えられ、クレープは手で巻いて楽しむスタイル。かぼちゃの馬車を象ったパンプキンパウダーのチュイルが、おとぎ話の世界観をさりげなく演出している。前菜からしっかりとしたボリュームと技巧が凝らされており、続く料理への期待も高まる。

sub14メイン(魚料理)/テーマ:12時の鐘の音。羽太のソテー 香草風味。

メインの魚料理「12時の鐘の音」は、香草風味の羽太(はた)をソテーし、竹炭で色づけして、パスタ状にカットして巻いて焼き上げた一皿。サクサクとしたジャガイモの食感と、ふっくらジューシーな白身魚のコントラストが絶妙。赤パプリカを使った酸味のきいたソースが味わいを引き締め、時計の12時をモチーフにしたピューレの美しさにも目を奪われる。肉料理「愛の手がかり」は、京鴨のローストをシンプルにロースト。厚みがありながらもしっとりと柔らかく、火入れの技術が光る一品。ライスペーパーで作られた“ガラスの靴”は、食べるのが惜しくなるほど繊細で愛らしいフォルム。物語のクライマックスをアイコニックに演出する。
コース全体を通して感じられるのは、色・形・味わいが一体となった物語性の演出。すべての料理が視覚にも美しく、まさにフォトジェニック。クリエイティブな感性を大切にするメズム東京ならではの、渾身のコースだった。 sub14メイン(肉料理)/ テーマ:愛の手がかり。京鴨のロースト 季節野菜添え。

メズム東京では、ミュージカルや演劇をテーマにした美食プログラムをはじめ、音楽やアート、東京湾を望むベイビューなど、五感を刺激する体験を提供してきた。実際に滞在してみれば、その世界観へのこだわりをより深く実感できるだろう。全客室にカシオ製の電子ピアノを備えているほか、スタッフは“タレント”と呼ばれ、ヨウジヤマモト社「Y's BANG ON!」のユニフォームをまとい、それぞれの個性と専門性を活かしたホスピタリティでゲストを迎えてくれる。その体験は、他にはない唯一無二のオリジナリティに満ちている。2020年4月の開業以来、独自の世界観を進化させ続けるメズム東京のこれからにも注目したい。

<『シンデレラ』ランチ&ディナープログラム概要>
提供期間:2025年10月26日(日)まで
提供時間:ランチ11:30~15:00(L.O.14:00)/ディナー17:00~22:00(L.O.20:30)
提供場所:メズム東京 16階フレンチダイニング「シェフズ・シアター」
料金:ランチプログラム:7,600円~/ディナープログラム: 15,800円
※上記料金には消費税、15%のサービス料が含まれています。
ご予約:ランチプログラムディナープログラム

<新国立劇場バレエ団『シンデレラ』公演情報>
公演日程:2025年10月17日(金)~10月26日(日)全12回公演 新国立劇場 オペラパレス
2025年10月4日(土)、5日(日) 札幌文化芸術劇場 hitaru
予定上演時間:約2時間35分(休憩含む)
『シンデレラ』公式Webサイト

information


メズム東京、オートグラフ コレクション
所在地:東京都港区海岸1丁目10−30
Tel:03-5777-1111
客室数:全265室
アクセス:JR山手線・京浜東北線、モノレール「浜松町」駅 北口より徒歩6分
新交通ゆりかもめ「竹芝」駅より徒歩3分
都営大江戸線・浅草線「大門」駅 B1/B2出口より徒歩7分

新国立劇場
所在地:東京都渋谷区本町1丁目1-1
Tel:03-5351-3011(代表)