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「ラッフルズ シンガポール」滞在中は、ほぼホテルの敷地内で過ごした。客室、公共エリア、中庭、アーケイド──。どこを切り取っても美しく、洗練されている。客室前の専用のテラス席で、中庭から吹き抜ける風を全身に受けながら、“今ここにいる”幸福を満喫していたら、なんだか敷地の外に出るのがもったいなくなる。 そして敷地内には、洗練されたレストランとバーもある。この空間に、シンガポールを旅する醍醐味が詰まっているのだ。

ラッフルズホテルならでは、が詰まったメモリアルな体験。sen
fukui_01ph01(写真)ラッフルズ・アーケード1階にあるギフトショップ「ラッフルズ・ブティック」。

マストで訪れたいのが、ラッフルズ・アーケード1階にあるギフトショップ「ラッフルズ・ブティック」。オリジナルグッズや特製の紅茶、チョコレート、そして厳選されたシンガポール土産が並び、宿泊していなくても気軽に立ち寄って買い物を楽しむことができる。宿泊者には、バトラーがブティックの案内をしてくれるという特権も。商品の特徴や人気アイテムを紹介してくれたり、買い物に付き添ってくれたりと、まるでパーソナルショッパーのような存在だ。
fukui_01ph01(写真)ラッフルズ・アーケード1階にあるギフトショップ「ラッフルズ・ブティック」。

「ラッフルズ シンガポール」では、1室につき1名の専属バトラーが付き、滞在中さまざまなリクエストに応えてくれる。ただし、筆者も含め、日本人にとっては「バトラーをどう使えばいいのか分からない」というのが正直なところ。そんな中、「ブティックの買い物を頼める」と聞き、「これは!」とお願いしてみた。実際には、店内を案内してもらいながら、「このコーナーはこんな商品がありますよ」「これが人気です」といった説明を受けることができた。バトラーのおすすめは、「パイナップル・タルト」と「シンガポール・スリングティー」。どちらも旅の記念にぴったりの一品だ。
fukui_01ph01(写真)「グランド・ロビー」で提供されるアフタヌーンティー。

大きなシャンデリアが輝く「グランド・ロビー」で提供されるアフタヌーンティーも評判だ。胡蝶蘭をはじめとする南国らしい花々に囲まれ、煌びやかな光の下で楽しむ英国式のアフタヌーンティーは、「ラッフルズ シンガポール」ならではの体験。シルバーのスタンドに美しく盛り付けられたケーキやサンドイッチは、どれも味わい深く、紅茶にはマリアージュ フレールが用意されていた。

時を超えて愛される、名作と名酒の舞台、ラッフルズのバーへ。sen
fukui_01ph01(写真)リニューアルされた「ライターズ・バー」。

エントランスを入ってすぐ右手にある「ライターズ・バー」は、サマセット・モームやアーネスト・ヘミングウェイなど、「ラッフルズ シンガポール」に滞在した著名な作家たちへの敬意を込めた空間。シックな雰囲気の中、彼らにインスピレーションを得て考案されたカクテルを味わうことができる。fukui_01ph01(写真)伝説的な作家たちへのオマージュが感じられる「ライターズ・バー」でクラフトカクテルを味わう愉しみ。

シンガポール・スリング発祥の地として知られる「ロング・バー」は、夕方には観光客の行列ができる人気スポット。店名の由来でもある長い木製カウンターが印象的で、おつまみのピーナッツの殻を床に捨てるのがここの流儀だ。筆者も、多くのゲストと同じように、その“流儀”を楽しんだ一人。郷に入れば郷に従え――ためらうことなく殻を床に放りながら、ふと気づけば、「殻を捨てたいがためにピーナッツを食べ続ける」という不思議なループに陥っているのだった。fukui_01ph01(写真)シンガポール・スリング発祥の地「ロング・バー」。


多様な食文化の歴史とモダンが融合するラッフルズの美食体験。sen
fukui_01ph01(写真)朝食をとった「ティフィンルーム」。

ホテル内の料飲施設はどれも魅力的だが、筆者がすっかり虜になったのは、「ティフィンルーム」での朝食。ハーフビュッフェ形式で、メインディッシュをオーダーしつつ、ブッフェ台の料理も自由に楽しめるスタイルだ。並んでいる料理はもちろん、メインメニューもどれも美味しそうで、胃袋に余裕があれば全種類食べてみたくなるほど。メインは、オムレツやラクサ、カヤトーストなどから選べ、1品に限らず複数オーダーも可能。ただ、年齢とともに食が細くなってきた筆者は、1品が限界だった。悩みに悩んだ末、ホテルの広報に勧められた「ミーゴレン」をチョイス。期待通りの美味しさで、朝から大満足だった。
なお、「ティフィンルーム」は、開業2年後の1892年にオープンしたホテルのメインダイニング。ランチやディナータイムには、スパイス香る本格的な北インド料理が楽しめる。
fukui_01ph01(写真)「ティフィンルーム」の北インド料理イメージ。

「ブッチャーズ・ブロック」は、特注のオーブンやグリルを備えたオープンキッチンのある薪火レストラン。レストラン内で熟成した牛肉など、さまざまな食材を取りそろえている。その薪火を使った、シンプルなグリル、薪やドライハーブを使用した燻製、スローロースト、さらには食材を燠火に埋めたり、燠火で直接バスケットで焼いたり、炭火の上に食材を吊るすなど、さまざまな調理のバリエーションを持つ。どの肉をどんな調理法で食すか考えを巡らせるのも楽しい。fukui_01ph01fukui_01ph01(写真)薪火レストラン「ブッチャーズ・ブロック」。

モダンな店内で、本格的な広東料理がいただける「藝 yì by ジェレーム・レオン」は、コース料理もあるが、アラカルトでもオーダーできる。こちらもシンガポールを訪れる度に足を運びたいレストランのひとつだ。fukui_01ph01(写真)広東料理レストラン「藝 yì by ジェレーム・レオン」。

“東洋の神秘”と称され、長い年月を経てさらにその魅力に深みを増し続けていくラッフルズホテル。なお、東京都港区で進行する「世界貿易センタービルディング建替えプロジェクト」で開業する本館・ターミナルに、「ラッフルズホテル」が日本初進出することが決まっており、2028年には、本館の36階~46階に「ラッフルズ東京」が開業する予定だ。こちらの開業も心待ちにしたい。

Text by Aya Hasegawa

information


fukui_01ph01ラッフルズホテル(Raffles Singapore )

所在地:1 Beach Road, Singapore 189673
Tel:(+65) 6337-1886