1836年創設の「ポメリー」はフランスを代表するシャンパーニュ・メゾンのひとつだ。1874年にはマダム・ポメリーがシャンパーニュ史上初のブリュット(辛口)を造り出し、シャンパーニュ最大の醸造元へと発展させた歴史がある。その「ポメリー」が主催する「ポメリー・ソムリエコンクール」が2025年10月23日に開催された。 同コンクールは1993年から続く日本で最も歴史あるソムリエコンクールであり、現在日本にいるソムリエ資格者4万人の頂点を目指す戦いでもある。現在参加資格は35才以下と若手ソムリエを応援する意味もあり、今大会では47名が予選に参加。準決勝を経て5名が本選へ進出した。

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今回はポメリー最高醸造責任者クレマン・ピエルロー氏が特別に来日。「選手のみなさんの豊富な知識、サービス技術、英語力とプロフェッショナルリズムに驚きました。このコンクールは若手を対象にしていますが、これからシャンパーニュを楽しむ方にもっとアピールすることが大切です。ポメリーがサステナブル・ヴィティカルチャーやSDGsの取り組みを行っていることも若い世代に発信していきたいです」とコメントしてくれた。コンクールでは事前に与えられた課題のプレゼンテーション、ブラインドのテイスティングやサービス技能、コース料理のペアリング提案というパフォーマンスを審査員が評価。厳しい審査を経て「マンダリンオリエンタル東京」の鈴木大輝氏が見事優勝、チャンピオンに輝いた。

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真剣な空気が漂ったコンクールの後に行われたのが華やかなガラディナーで、この夜は料理にあわせてポメリーのシャンパーニュ・フル・ペアリングというゴージャスな内容。しかも各テーブルを決勝進出5名のソムリエがサービスして回り、場を盛り上げてくれた。

「帆立貝のガトー仕立て 国産有機グアバとライム風味」×「ポメリーアパナージュ ブリュット1874マグナム」
pullman_01「ラングスティーヌ 蕪 フヌイユのルーレ シャウルスと新にんにくのエミュルジョン」×「ポメリーアパナージュ ブリュット1874マグナム」pullman_01「名古屋コーチンの低温調理コンフィ トリュフバター風味」×「ポメリー キュヴェ・ルイーズ2006パルセル」

まず「ポメリー アパナージュブラン・ド・ブラン」のアペリティフのあと「帆立貝のガトー仕立て 国産有機グアバとライム風味」と「ラングスティーヌ 蕪 フヌイユのルーレ シャウルスと新にんにくのエミュルジョン」には「ポメリー アパナージュ ブリュット1874マグナム」を合わせた。ハイライトは「名古屋コーチンの低温調理コンフィ トリュフバター風味」にあわせて登場した「ポメリー キュヴェ・ルイーズ2006パルセル」だ。
「宮崎産 桜鱒のオーブン焼き セロリラブのムースリーヌ とんぶり入りシャンパーニュソース」×「クロ・ポンパドール ブラン・ド・ブラン2017」「フランス産仔牛フィレのソテ モリーユ茸ソース ポロ葱のグラタン<フランシュ・コンテ風>」×「クロ・ポンパドール2004 マグナム」

さらに「宮崎産 桜鱒のオーブン焼き セロリラブのムースリーヌ とんぶり入りシャンパーニュソース」には「クロ・ポンパドール ブラン・ド・ブラン2017」が。この日が世界初披露となるシャンパーニュはふくよかさ、エレガントさなどいずれも秀逸な素晴らしくかった。「このシャンパーニュはわたしが最高醸造責任者に就任した就任した2017年に収穫したシャルドネだけを使用した、大変思い入れのあるキュヴェです」とクレマン・ピエルロー氏。そしてメインの「フランス産仔牛フィレのソテ モリーユ茸ソース ポロ葱のグラタン<フランシュ・コンテ風>」には肉にも合う「クロ・ポンパドール2004 マグナム」。いずれもポメリーの奥深さと魅力を最大限に引き出す料理とのペアリングだった。


優勝した鈴木大輝氏は「ポメリー・ソムリエコンクール」チャンピオンのという栄誉の他にもディプロマ、賞金100万円、ポメリーキュヴェ・ルイーズ6Lが贈られるほか、フランスでのメゾン研修やレストラン研修が予定されており、ポメリーアンバサダーとして一年間様々なイベントに登場予定というあるから、今後の鈴木大輝氏とポメリーのコラボレーションにも注目だ。

text & photo by Masakatsu Ikeda

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池田匡克
ジャーナリスト/イタリア国立ジャーナリスト協会会員

1967年東京生まれ。1998年よりイタリア、フィレンツェ在住。イタリア料理文化に造詣が深く、イタリア語を駆使してシェフ・インタビュー、料理撮影、執筆活動を行う。著書に『伝説のイタリアン、ガルガのクチーナ・エスプレッサ』『シチリア美食の王国へ』『イタリアの老舗料理店』『世界一のレストラン オステリア・フランチェスカーナ』など多数。2014年イタリアで行われた国際料理コンテスト「ジロトンノ」「クスクス・フェスタ」などに唯一の日本人審査員として参加。2017年イタリア料理文化の普及に貢献したジャーナリストに贈られる「レポーター・デル・グスト」受賞。2023年、日本全国の北海道から沖縄まで100店の高級イタリア料理店が参加する大型レストランイベント「ITALIAN WEEK 100」のディレクターに就任。