shiroiya_main1
「静かなラグジュアリーに出会う旅」をテーマに巡ってきた本特集も、いよいよロンドンへ。ミラノ、モデナ、パルマ、ヴェローナ、ヴェネチアと続いた北イタリアの余韻を携えながら辿り着いたのは、クラシカルでありながら都会的、文化の趣きが五感に響く都市、ロンドンだ。

イタリアからイギリスへ。同じヨーロッパでありながら、街の色調や空気の質は大きく異なる。ミラノやヴェネチアの光に満ちた開放感に対して、ロンドンには紳士淑女の伝統に支えられた文化が醸す、落ち着きと静かな品格が漂う。こうした違いは、旅を重ねるほどに、それぞれの土地の個性や魅力を際立たせてくれる。そのロンドンの本質を体現するかのように佇むのが、ナイツブリッジの静かな住宅街に位置する「ザ・フランクリン(The Franklin)」だ。 shiroiya_ph04 ヴィクトリア&アルバート博物館にもほど近いナイツブリッジは、ロンドンの中でもとりわけ洗練されたエリアだ。名だたるブランドや文化施設が集まりながらも、一本通りを入れば静かな住宅街が広がり、都会と私的な時間が共存する独特のバランスを持つ。そして、エジャートン・ガーデンズの緑に包まれたこの一角は、ロンドンの中心にいることを忘れさせるほど穏やかな空気に満ちている。

ヴィクトリア朝のタウンハウスと、イタリアのホスピタリティが織りなす空間。sen 2014年にイタリア・フィレンツェに本社を置く家族経営のホテルグループ、スターホテルズが取得したこのホテル。建物は19世紀ヴィクトリア朝のタウンハウスをオリジナルの意匠を残しながら全面改装して、2016年の秋に、ニュージーランド生まれの著名な英国人デザイナー、アヌーシュカ・ヘンペルによる新たな装いでリニューアルオープンを果たした。shiroiya_ph04 外観は英国らしいクラシカルなタウンハウスの佇まいを見せるが、ひとたび館内に足を踏み入れると、グレートーンを基調とした石材やカララ大理石が織りなす静謐な世界が広がる。アールデコやベル・エポックの気配を宿しながらも、ロンドンの洗練とイタリア的な優雅さが静かに交差する空間が広がる。

この空間を手がけたアヌーシュカ・ヘンペルは、『Architectural Digest』誌が選ぶ世界のトップデザイナーの一人として知られ、建築やインテリアにとどまらず、ファッションやプロダクトデザインまで多岐にわたるキャリアを持つ。彼女の手がける空間は、イタリアやモロッコなど異文化のエッセンスを織り交ぜながらも、どこか一つの私邸のような温もりを感じさせる。また、このホテルの魅力を支える要素のひとつとして、知識豊富なコンシェルジュをはじめとするゲストエクスペリエンスチームの存在がある。靴磨きから客室のフラワーアレンジメントの選定に至るまで、さりげなく心を配る温かなもてなしに定評があるのだ。
shiroiya_ph04 客室はわずか35室。大規模ホテルとは一線を画すこのスケール感もさることながら、このホテルの魅力は、部屋から望む景色にある。正面に面した客室からは歴史あるブロンプトン・オラトリオ(ヴィクトリア&アルバート博物館に隣接し、ロンドンでも最大級のカトリック教会の一つ)を、裏手の客室からはエガートン・ガーデンズの伝統的な英国式庭園を見渡すことができる。

棚仕立ての洋ナシの木や丁寧に手入れされた花壇が広がるこの庭園は、ゲストに開かれた静かな緑の空間だ。窓越しには、イギリス人の親子が穏やかな時間を過ごす光景がさりげなく目に入り、高い天井と大きな窓から差し込む柔らかな光とともに、その風景は、都市の中心にいながらもゆるやかな余白をもたらしてくれる。

ロンドンで味わう、イタリア料理のもうひとつの表情。sen
わずか30席のダイニング「ザ・フランクリン・レストラン」では、イタリアの伝統をベースにしながらも現代的な解釈を加えた料理が提供され、ロンドンにいながらにして洗練されたイタリアの食文化を堪能できる。ロンドンでのイタリア料理に半信半疑の人もいるかもしれないが、ここではその心配は無用だ。庭園を見渡す親密な空間で、ロンコラトス シェフによる「エクスプロレーション・キュイジーヌ」をじっくりと味わいたい。
shiroiya_ph07 shiroiya_ph07 shiroiya_ph07 華やかな前菜から始まるコースは、遊び心のあるプレゼンテーションとともに、フレッシュな魚介や上質な食材の確かな美味しさが際立つ。ヴェローナ出身のシェフによる、ウサギのテリーヌを詰めたトルテッリーニなど、イタリアの伝統を感じさせる一皿も印象的だ。洗練された表現の中に、料理の原点がしっかりと息づいている。こうしたレストランに出会えることは、決して当たり前ではない。

イタリアの大陸的な魅力と、イギリスの伝統が育んだクラシカルな優美さが融合したこのホテルは、ロンドンの午後をゆったりと味わうのにふさわしい一軒だ。ヴィクトリア&アルバート博物館を訪れるもよし、近隣のブランドショップやインテリアショップを巡るのも楽しい。気づけばショッピングが進んでしまうほど誘惑の多いエリアだが、それもまたこの街の魅力のひとつだ。

Small Luxury Hotels of the World™
スモール・ラグジュアリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド
FD_02
1991年にロンドンで設立された世界的なホテルコレクション。平均約50室以下の独立系ラグジュアリーブティックホテルを中心に、現在では世界100カ国以上・700軒超が加盟する。加盟には約615項目に及ぶ厳格な評価基準が設けられ、80%以上のスコアを満たすことが必須。さらに年1回の覆面調査と必要に応じた再審査により、品質は継続的に担保されている。これらの基準は全加盟ホテルに共有され、世界のどのデスティネーションにおいても、独自の理念と土地の文化を活かした個性豊かなホテルによって、その土地ならではの価値を感じる上質な滞在体験を提供する。
・公式Webサイト:https://slh.com/、日本版:https://www.slhhotels.jp/
・公式SNSアカウント:Instagram:@smallluxuryhotels、Instagram日本版:@smallluxuryhotelsjapan

information


FD_02
ザ・フランクリン(The Franklin)

所在地:24 Egerton Gardens, Knightsbridge, London SW3 2DB, UK
Tel:+44 20 7584 5533
e-mail:concierge.thefranklin@starhotels.com


PR・取材協力:スモール・ラグジュアリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド(SLH)、ザ・フランクリン(The Franklin)

【静かなラグジュアリーに出会う旅】
北イタリア・ミラノ編
クリエイティブに触れる滞在
 マグナ・パーズ・ロ・ホテル・ア・パルファム
 ガレリア・ヴィク・ミラノ

北イタリア・ヴェネチア編
美と歴史に身をゆだねる
 カディ・ディオ

イギリス・ロンドン編
滞在のスタイルを味わう
 ザ・フランクリン
 キャピタル・ホテル・アパートメンツ&タウンハウス