東京の最旬スポット、高輪ゲートウェイ。その新商業施設「ニュウマン高輪 MIMURE」に、創業100年を超える老舗寿司店・玉寿司の新業態「鮨 上ル 高輪ゲートウェイ店」が2026年3月28日にオープンした。 1924年創業の玉寿司が、次の100年を見据えて誕生させた「鮨 上ル」。素材や仕込みによる味わいの違いを楽しみながら、寿司の新たな魅力に出会える一軒だ。

個室からカウンターまで、多彩な楽しみ方が叶う。sen
店内はカウンター、テーブル席、そして7席の個室を備える。壁面には桜をモチーフにしたアートワークが描かれ、和の趣を感じさせながらも現代的な空気が漂う空間だ。アートや自然、食を通して新たな日本文化を提案する「ニュウマン高輪 MIMURE」にふさわしく、「鮨 上ル」もまた、寿司という伝統文化を現代の感性で楽しませてくれる。
7席限定の個室にも店内を彩る桜のアートワークが施され、落ち着きと華やかさを兼ね備えた設えが印象的だ。 専属の板前が一貫ずつ提供する個室限定の「店長おまかせ 極みコース」では、江戸切子の名工が手掛けた酒器で日本酒などのペアリングを楽しむこともできる。周囲を気にすることなく、職人の技や食材の違いにじっくり向き合えるのも魅力だ。


鮪も穴子も。仕込みの違いで広がる味わいの世界。sen

店内中央のカウンター席では、職人との距離が非常に近く、フラットな設計によって手元の仕事やネタケースが目の前に広がる。「なぜこの魚なのか」「なぜこの調理法なのか」といった会話も自然と生まれ、知的好奇心をくすぐられる。そんな職人との会話とともに楽しみたいのが、「鮨 上ル」ならではの食べ比べメニューだ。同店自慢の鮪や穴子などを、部位や仕込み、調理法の違いによって食べ比べてみれば、同じネタとは思えないほど異なる表情に驚かされる。これは寿司を食べ慣れていても新鮮な感覚だ。
まず試したいのが、「天然鮪づくし 食べ比べ5貫」だ。これは漬け鮪好きなら見逃せない一皿である。同店の鮪は、世界的に高く評価されている北アイルランド沖の天然鮪を使用。日本では大間の鮪が広く知られているが、「食べていただければ分かる美味しさです」と店長が語る。緻密な身質と上質な脂、力強い旨味を兼ね備えた味わいは、その言葉どおり一口で納得させられる。 pullman_01天然鮪づくし 食べ比べ5貫(税込2,750円)

中トロに加え、秘伝のだれによる漬け鮪、そして柚子味噌漬け鮪を用意。特に印象に残ったのが柚子味噌漬けだ。見た目の美しさにもこだわり、焼き霜を施したうえで9時間かけて味噌を浸透させるという手間を惜しまない。試行錯誤の末に完成した味噌は鮪の旨味を引き立て、身はほどよく締まった独特の食感に仕上がる。一方の漬け鮪は、鮪節(まぐろぶし)を使った秘伝の漬けだれによって旨味が幾重にも重なり、赤身の魅力を存分に引き出している。熟成赤酢のシャリとの相性も抜群。「天然鮪づくし 食べ比べ5貫」は、同店が提案する“食べ比べ”の醍醐味を最も分かりやすく伝えてくれる一皿だ。
pullman_01左/〈挟み巻〉のどぐろ焼き挟み巻(税込 1,430円)、右/〈3貫にぎり〉穴子づくし 食べ比べ3貫(税込1,430円)

続いて味わいたいのが、「〈3貫にぎり〉穴子づくし 食べ比べ3貫」(税込1,430円)。煮穴子、クリームチーズと奈良漬けを合わせた創作的な一貫、そして白焼きの3種を楽しめる。なかでも別格なのが白焼きだ。穴子を塩だけで味わう機会は意外と少ないが、絶妙な炙りによる香ばしさが加わることで、その旨味がより際立つ。どれも完成度が高く、穴子の多彩な魅力を楽しめる。

食べ比べだけでなく、伝統的な寿司にひと工夫を加えた創作性あふれるメニューも見逃せない。なかでも玉寿司の名物として親しまれているのが「挟み巻」だ。海苔の上に酢飯を広げ、出来立ての具材をのせて半分に折りたたんでいただく独特のスタイルで、握りとも手巻きとも異なる魅力を持つ。熱々の具材と冷たい酢飯、パリッとした海苔の食感が織りなすコントラストがたまらない。「〈挟み巻〉のどぐろ焼き挟み巻」は、脂の乗ったのどぐろを目の前で炙ることで香ばしさが加わり、熱々のうちに頬張れば、のどぐろの甘い脂、酢飯、海苔の風味が見事に重なり合う。
pullman_01「〈挟み巻〉茜美人 卵黄 秘伝のたれ漬けの挟み巻」(税込660円)

さらにぜひ試したいのが、「〈挟み巻〉茜美人 卵黄 秘伝のたれ漬けの挟み巻」。一度冷凍した卵黄を秘伝のたれに漬け込むことで、中心まで均一に味を浸透させている。水分がほどよく抜けた卵黄は濃厚でまろやか。しっとりと固まった独特の食感も印象的で、他ではなかなか出会えない一品だ。左/「天日干し無添加からすみ」(税込1,430円)、右/限定酒「 黒龍 大吟醸 CRYSTAL DRAGON(クリスタルドラゴン)」(一合 税込1,628円)。

日本酒好きなら、定番酒から限定酒まで揃う豊富なラインナップもぜひ楽しみたい。寿司店ならではの酒へのこだわりもうかがえる。そして一品料理でぜひ注文したいのが、「天日干し無添加からすみ」だ。色艶が美しく、しっとりとした口当たりと絶妙な塩味が印象的。日本酒との相性も抜群で、つい杯が進んでしまう。
pullman_01「究極の12貫にぎり(お椀付)」(税込6,380円)

鮪や穴子の食べ比べ、そして挟み巻。どれも試してみたくなり、何を注文するか迷ってしまうほど魅力的なメニューが揃う。そんな時は、まず「究極の12貫にぎり(お椀付)」を選びたい。「鮨 上ル」の技術や素材へのこだわりを一度に味わうことができる人気の“おきまり”だ。トロ、鮪、いくら、うに、車海老など、寿司好きが心躍るネタがずらりと並び、「鮨 上ル」の魅力を余すところなく楽しめる。その内容を考えれば、コストパフォーマンスの高さにも納得だ。

伝統的な江戸前寿司を軸としながらも、食べ比べや挟み巻といった新たな楽しみ方を提案する「鮨 上ル」。高輪ゲートウェイという新しい街にふさわしく、寿司の奥深さと面白さを改めて発見させてくれる一軒だった。

photo by Masakatsu Ikeda

information


鮨上ル 高輪ゲートウェイ店
所在地:東京都港区高輪2丁目22-1 THELINKPILLARII 3階(ニュウマン高輪MIMURE)
Tel:03-5860-2308
営業時間:11:00~22:00(L.O一品料理21:00、鮨・ドリンク21:30)、ランチ 11:00~15:00
席数:カウンター席:12席  テーブル席:28席 個室:7席
取材協力:玉寿司