大阪・梅田のインターコンチネンタルホテル大阪にあるスペシャリティレストラン「ピエール」が、ミシュランガイド京都・大阪への10年連続掲載を記念し、パリのミシュラン一つ星レストラン「Zostera(ゾステラ)」のジュリアン・デュマ氏を招聘。ヘッドシェフ・柴原仁崇氏と17年ぶりに同じ厨房に立ち、4日間限定のコラボレーションイベント「Two Stars, One Vision ~海と大地の恵みを未来へつなぐ、一皿一皿の物語~」を開催した。

veritaが体験したのは、コラボレーション2日目のディナー。柴原シェフがアミューズとメインを、魚介料理を得意とするデュマ氏が、鮎、車海老、石鯛、ヤリイカなど、日本の旬の魚介を用いた4皿とデセールを担当。日本の旬の食材を軸に、二人の感性が響き合う全7品が展開された。ワインペアリングもデュマ氏自らが考案し、料理とワインを通して二人の世界観を味わう特別なコースとなった。

日本の海と大地を巡る、7皿のストーリーsen
sub14画像左/日仏のコラボレーションを予感させる、三つの小さな一皿から。アミューズ・ブーシュ「葉生姜 モリーユ茸 赤味噌 ホタテ キャビア わさび漬け 大根 寒天」

幕開けは、柴原シェフによる3種のアミューズ・ブーシュ。葉生姜を使った一品には、赤味噌で煮込んだモリーユ茸とミョウガのチップスを添えて。中央には、大根でつくった寒天に豆腐を忍ばせ、柚子のコンソメで爽やかな香りを重ねる。そしてもう一品は、醤油とわさびを効かせたキャビアと帆立のタルタル。一口ごとに異なる味わいや食感とともに、和の香味を端正なフレンチへと昇華させた。

sub14画像/「鮎 ルバーブ」、フランスでの料理の記憶を、日本の鮎で再構築した一皿。

続く4皿のデュマ氏の料理で、特に印象的だったのが「鮎 ルバーブ」。以前から料理してみたかったという鮎を日本で初めて口にし、かつてヨーロッパで手掛けたマスとルバーブの料理から着想したという。ルバーブとイタドリによる鮮やかな酸味のソースに、鮎とうなぎの出汁にゴマを加えたコクのあるソース。さらに木の芽やシソを重ね、鮎という日本の夏の味覚を自身の料理の記憶と結びつけながらも、異なる要素が驚くほど自然なバランスでまとまっていた。

sub14画像/「車海老 ほうれん草 ヴェルヴェーヌ」、車海老は、その旨みまで余すところなく表現。

「車海老 ほうれん草 ヴェルヴェーヌ」は、車海老の上品な甘みとしっとりとした食感を生かした一皿。なかでも、海老を焼いた際に出た出汁にバターを合わせた、コクのあるまろやかなソースが印象に残る。フランボワーズと赤ワインの酸味、ほうれん草とヴェルヴェーヌの爽やかな香りがアクセントとなり、車海老の甘みを引き立てる。食材を「なるべく、全部使う」ことを大切にするデュマ氏。その考え方が、調理の過程で生まれる旨みまで生かしたソースにも表れている。

sub14画像/「ヤリイカ イカスミ イサキ」は、イカが墨を吐く、海の一瞬を一皿に。

「ヤリイカ イカスミ イサキ」は、胴体にモンゴウイカ、足には剣先イカと2種類のイカを使い、その下にはスイカとイサキを忍ばせた一皿。目を引くのは、「イカが墨を吐いている」瞬間を思わせるプレゼンテーションだ。海の旨みにスイカのみずみずしさを重ねる意外な組み合わせとともに、海中の一場面を切り取ったような遊び心も楽しませてくれる。

sub14画像/海から大地へ、コースは再び柴原シェフの料理へ。「オリーブ牛 枝豆 三島馬鈴薯」。

魚介が続いたコースのメインを飾ったのは、柴原シェフによる「オリーブ牛 枝豆 三島馬鈴薯」。香川県のオリーブ牛を主役に、枝豆と三島馬鈴薯を組み合わせ、日本の海を巡るように続いたデュマ氏の料理から、大地の恵みを味わう一皿へとつなぐ。そしてコースの最後には、この日最も意表を突かれた料理が待っていた。

sub14画像/桃に青海苔、コースの最後を締めくくったデセール「桃 アオノリ」。

デュマ氏による「桃 アオノリ」は、艶やかな深紅の桃のデセールに、大胆にも青海苔をあしらった一皿だ。実はデュマ氏は、海苔をこよなく愛するシェフなのだという。きっかけは、かつて東京の寿司店で食事の締めに味わった、炙った海苔にシャリをのせたシンプルな一品。その香りと味わいに魅了され、以来、自身の料理にも海苔を取り入れ、現在はフランスで生産される海苔も使っているという。今回のコースでも、さまざまな料理に海苔が登場する。そして最後には、なんと桃との組み合わせでデセールにまで。桃の甘酸っぱさに青海苔の磯の香りを重ねた意外な味わいで、日本で出会い魅了された海苔が、今やデュマ氏の料理に欠かせない食材のひとつとなっていることを印象づけた。

17年の時を経て再び交差した二人の感性が、一皿一皿に新たな物語を紡いだ4日間となった。

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photo by Masakatsu Ikeda
PR・協力:インターコンチネンタルホテル大阪